「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第996
漢・韓 折衷料理店(その1)

今日は昭和の日。
いよいよ大型連休に突入である。
やっとこのところ春めいて気温も上昇してきたが
思い出すのは今から45年前の4月29日。
当時はもちろん昭和の日ではなく、天皇誕生日であった。

ところは駒沢の第二球技場。
東京都主催の中学サッカー春季大会において
われらが上板橋第一中学校は順調にベスト16に勝ち進んだ。
この試合に勝てばベスト8である。
球技場の緑の芝生が目にまぶしかったが
その日の天候は最悪で氷雨が降り注ぎ、
最高気温は5度前後だったと思う。
ちなみにJ.C.が芝生のピッチでゲームに臨んだのは
人生において、あとにも先にもこの1試合のみである。

結果はGKが手を滑らせ、ボールをつかみ損ねて1−0の敗戦。
相手のチームの学校名すら忘れてしまったが
プレイ後の両チームの監督の計らいが粋だった。
悪天候下の試合で肺炎でも起こさせたら大変と、
生徒を近所の銭湯に入れてくれたのである。
敵味方一体となっての裸の交流、昔の先生は実にエラかった。

今上天皇がお住まいの宮城から北上すること2km。
東京ドームの西隣りに小石川後楽園がある。
丸の内線・後楽園駅を挟んで向こう側には
礫(こいし)川公園なる小さな緑地が控えている。
園内には三大将軍・家光の乳母、春日の局の銅像があり、
局の屋敷がこの地にあったので一帯は春日町と呼ばれ、
乗じて目の前を走る道路が春日通りと名付けられる。

銅像の並びのすぐそばに
「味菜里」という大衆的な町の中華屋がある。
初めて入店したのが1月半ば。
近くの伝通院でとり行われた友人の通夜の帰りで
数人の仲間と飛び込んだのだった。
お寺から富坂を下ってゆく春日通りの両サイドには
これといった飲食店がほとんど見当たらない。
駅のそばなら家路に着くのに誰もが便利、
料理は二の次でそのように判断したわけだ。

中華主体のメニューにはチヂミなんぞもあり、
何だか異様な店内の雰囲気と相まって
「外しちまったわい!」と失望の色が濃くなる。
ところがこの店、どうしてどうして
思惑をよい方向に裏切ってくれた。
ビールで献杯後、餃子や焼きそばをつまんでみると、
どちらもかなりのレベルに達しているではないか。
今度はゆっくり来てみよう、そう思わせる印象が残った。

ぴったり1ヵ月後の2月中旬、戻って来ました「味菜里」。
此度は食の太い友人を伴っているから鬼に金棒、
いろんな料理を注文できる。
どなたかのブログで仕入れた情報を頼りに
チゲ鍋の有無を確かめたら
以前、ランチタイムに出したことがある程度で
今は提供していないとのことだった。

「ここは中華料理店? それとも韓国料理ですか?」――
店のオバさんに訊ねると、レッキした中華との返答。
でも、チヂミがあるしなァ・・・・。
あれれ、飲みものにマッコリまであるじゃないですか。

            =つづく=

 
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2010年4月29日(木)

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