「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1000回
把瑠都に乾杯!(その1)

読者の皆さんのおかげを持ちまして
当コラムも第1000回を迎えることができました。
ご愛読に心から感謝します。

本日は端午の節句。
五月晴れの空に泳ぐ鯉のぼりにあやかり、
これからも元気に歩いて食べて綴ってゆく所存、
どうぞよろしく願います。

いきなりハナシはエストニア出身の相撲取りに跳ぶ。
大阪場所後、大関昇進を決めた把瑠都だが
伝達式から1ヶ月も経って今さら乾杯もないものだ。
そう1度は思い直したものの、
せっかく「食べる歓び」が千の大台に乗ったことだし、
またそれよりも(実はこちらが重要で)、
把瑠都のために乾杯したくなるような“あるモノ”に
出くわしたのだから仕方がない。

まあ、先をお読みくだされ。
天候不順に見舞われた今年の春。
とりわけ桜が散ったあとでちらつく雪は迷惑千万。
欲求不満がつのっているから
たまさか陽射しが出ようものなら
「待ってました!」と、散歩にいそしむことになる。
時間が許せば、なるったけ長距離を歩きたい。
4月中旬の土曜日、陽光の中を喜び勇んで出掛けて行った。

スタート地点は江東区の亀戸天神。
開花にはだいぶ間のある藤の花はつぼみのままだ。
好天気に恵まれたせいか、そこそこの人出でにぎわっている。
甲羅干しする池の亀がいかにも気持ちよさそう。
境内の料理屋「若福」から
みやげの玉子焼きを売る娘さんの声が流れて来る。

池の周りを一周して近所の香取神社に廻った。
香取神社は知名度の点で
亀戸天神に大きく差をつけられており、
参道もさびれにさびれ、目をおおいたくなるほど。
いにしえは武将や剣豪たちの崇敬を集めたと聞くが
彼らが現世の惨状を目にしたら、さぞ嘆くことだろう。

「亀戸餃子」の前を通り、変わらぬ繁盛ぶりを再確認。
明治通りを下り、西大島の銀座通り商店街を散策する。
「こん平」なるもつ焼き店に惹かれるものを感じた。
江戸前鮨の「與兵衛」も健在である。
さらに南下して庶民のパラダイス、砂町銀座に至る。
東京に○○銀座は数あれど、活気の点では砂町が断トツだ。

ここに来ると、必ず買い求めるのが
「さかい」の手作り焼売(シュウマイ)である。
横浜の有名店や本格中華の肉々しいものより
具のバランスに優れたこの店の焼売が好きだ。
好物を手に入れたからには
今宵は自宅で一杯やらねばならぬことになった。

なおも砂町銀座をウロウロしていると、
あるリカーショップに珍しいボトルの飲みものを発見。
東京タワーやスカイツリーとは似つかないが
どこぞの国の電波塔みたいな意匠が鮮烈である。
これが何と、把瑠都のふるさとエストニアのビール。
エストニア産ビールなんて初めてお目に掛かった。
300ml入りの小瓶はVIRUという銘柄だった。
未知との遭遇とはこのことで
ここは迷わず買いの一手であろう。

             =つづく=

 
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2010年5月5日(水)

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