「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1001回
把瑠都に乾杯!(その2)

砂町銀座の「さかい」で焼売を調達したあと、
同じ商店街のリカーショップに
エストニアのVIRUという瓶ビールを発見。
300ml入りで160円はずいぶん安い。
店名を忘れてしまったこの店では
500円のロシア産ウォッカも数種類売られていた。

酒類のほかに食料品を扱っており、
出会うと、買うことの多い紅鮭水煮の缶詰を見つけた。
原産国はロシア連邦、輸入者は日本水産である。
“お買い得”の商札に偽りはなく、210g入りで380円。
これもかなりの勉強価格ではなかろうか。
市場に出回っている鮭缶は
白っちゃけたカラフトマスがほとんど。
鯖缶のような臭みはなくとも、けして美味とは言えない。
その点、紅鮭のしっかりした身肉はコク味が深く、
鮮やかなサーモンピンクは見た目にも美しい。

結局、紅鮭の缶詰を2つ購入した。
エストニアのビールで新大関・把瑠都に乾杯し、
「食べる歓び」の千回到達では自分を祝うのだ、
となると愛猫プッチにもおすそ分けがあってしかるべき。
優しい飼い主はそう考えたのである。

かくして晩酌の役者は揃った。
そろそろ帰宅の途に着くとするか・・・。
陽が傾いて気温が下がり、冷たい風が首筋をかすめる。
ここで引き上げるのが常識人の取るべき行動であろう。
ところがJ.C.には気になることが1つあった。
先ほど見てきた、もつ焼き屋「こん平」である。

テクテク歩いて西大島に舞い戻る。
開店直後の「こん平」では
ビールの中瓶を1本、焼きとんのハツとカシラを塩、
レバ・シロ・テッポウはタレで各1本ずつの計5本。
滞在時間30分強にして、支払いは1150円である。
立て込む店にとって、これ以上の客はいませんな。

帰宅後、ひとっ風呂浴びて、調達品を並べた。

とてもビールには見えないVIRU
photo by J.C.Okazawa


王冠とキャップシール
photo by J.C.Okazawa

背高のボトルがイタリアのガリアーノを彷彿させる。
飲み口はデンマークやスウェーデンのそれに似て
スッキリとした淡麗タイプの北欧風。
雑味もなく、存外に美味しいビールだった。

「さかい」の焼売は10個入りで500円。
オバちゃんが1つオマケしてくれたから中身は11個。

掛け紙のデザインがダイナミック
photo by J.C.Okazawa

全部は食べ切れないため、5個は冷蔵庫に収めて
残り6個を、そのまま、辛子醤油、辛子ソースと
2個ずつ食べ分けてみた。
三者三様、それぞれに持ち味が異なり、楽しくなる。

さて、紅鮭の缶詰を開けてみよう。

1缶はオマエにやるよ
photo by J.C.Okazawa

紅鮭には大根おろしとオニオンスライスを添えた。
ところにより生醤油を垂らしてみたり、
マヨネーズを絞ってみたりと、
これまた舌先に変化を与えながら味わう。

愛猫はいつものようにプシュッと缶が開く音で
ニャアニャア、ニャアニャアと、それはそれは大騒ぎ。
2004年2月29日生まれのヤツとは
かれこれ6年越しのつき合いになるが
独酌の夜には、よき飲み相手になってくれている。

 白玉の歯にしみとほる秋の夜の
           酒は静かに飲むべかりけり

アルコール依存症に堕する以前の牧水に教えてやればよかった。
酒はペットと飲むべかりけり、ってネ。
酒は独り静かに飲んでいてはアブナい。
美空ひばりの「悲しい酒」になっちまうから――。


【本日の店舗紹介】その1
「こん平」
 東京都江東区大島2-38-9
 03-3638-7219

【本日の店舗紹介】その2
「さかい」
 東京都江東区北砂5-1-33
 03-3646-5670

 
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2010年5月6日(木)

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