第1014回
「蛍」の光に誘われて(その2)
光に吸い寄せられるように「蛍」を再訪した。
今回は「ドクロ本」を編集してくれたS倉サンが相方。
TVの収録で料理自慢芸能人の方々の手になる料理を
たとえ少量ずつでも8品も試食してきたので
お腹はまったく空いていない。
一応、到着前にマスターに電話を入れた。
満席を懸念したためである。
「蛍」での飲みものは
ビールの小瓶を2本ほどいただいたら
搾り立てのグレープフルーツ果汁と
ソーダで割るキンミヤ焼酎という路線にほぼ定着した。
この焼酎をストレートやロックで飲む気はしないが
酎ハイやレモンハイ、
あるいはホッピーと合わせるには最適だと思う。
そんな事情で食べるほうは相方に頑張ってもらうしかない。
前回と同じく2000円のコースを1人前だけお願い。
J.C.にはビーフジャーキー、きゅうり&かぶの塩漬が供された。
あとはちょこちょことおすそ分けに預かるものの、
もっぱら飲むほうに専念する。
当夜のコースメニューは以下の通り。
きゅうり&かぶの塩漬
納豆オムレツ
台湾風おやきの葱油餅
丸ごとトマトのサラダ・きざみ玉ねぎのせ
キムチ豆腐
牛もつ煮込み
中華風あぶり豚足
ナポリタン風太麺焼きそば
数品の写真を紹介しよう。
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「蛍」の定番、きゅうりとかぶの塩漬
photo by J.C.Okazawa
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小ぶりな納豆オムレツ
photo by J.C.Okazawa
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塩仕立ての牛もつ煮
photo by J.C.Okazawa
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酢を利かせた味付けの豚足
photo by J.C.Okazawa
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どうしてこれだけの品々が2000円なのかというと、
ハナから儲けようという気がないのである。
マスターは時折、葉巻をくゆらすが
料理しているときが一番幸せそう。
余丁町に移転して来る前の店には
高倉健がたびたび顔を見せていたそうだ。
なぜかレコーディングされなかった曲のデモテープは
大変な貴重品というよりも、類いまれなるお宝で
その健さんの歌声を聴きながらグラスを傾ける幸せを
いったい何に例えることができようか。
そういえば健さんには「ホタル」という主演映画があった。
ビートたけしと共演した「夜叉」でも
ヒロインの田中裕子が営む飲み屋が「ほたる」だった。
中国映画の「単騎、千里を走る。」以来、
スクリーンから姿を消してしまったが
日々、元気に過ごされているのだろうか?
ちょっと心配だ。
かくして(何がかくしてだかよく判らんが)
この夜もキンミヤの小瓶(300ml)を1本、空けてしまった。
帰りは来たときとは反対側の若松河田駅への道を歩いた。
それにしても昨夜のサッカー。
やはり看過できないので、これについては明日のコラムで。
【本日の店舗紹介】
「蛍」
東京都新宿区余丁町4-4
03-3356-4748
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