「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1022回
珍品揃いの「鳥昭」

去年の夏に遭遇して以来、
月に1度のペースで訪れている焼き鳥店「鳥昭」。
この店こそが2009年、最大の発見だった。

“恐れ入谷の鬼子母神、びっくり下谷の広徳寺”
太田蜀山人の作らしい地口で有名な
鬼子母神(真源寺)にほど近く、
地下鉄日比谷線・入谷駅から徒歩30秒といたって便利。
ちなみに鬼子母神は七夕の前後3日間に渡って
開かれる朝顔市で全国的に有名。
余談ながら下谷の広徳寺のほうは
関東大震災で崩落の憂き目にあい、
とっくの昔に練馬区・桜台に移転されている。

食鳥処理のライセンスを持つ若き店主がさばく銘柄鶏は
稀少な部位が数多く含まれ、到来する客の舌を喜ばせる。
もちろんおなじみの正肉・ささみ・砂肝・レバーも
他店の追随を許さぬほどの素材のよさ、
焼き上げの巧みさが精彩を放っている。

直近の訪問ではこんな感じで食べ進んでいった。

お通し
 小冷奴  鳥もも肉ラグー入りサラダ  
つまみ
 鳥わさ アピオス
焼き鳥
 ハツモト  砂肝がわ  背肝  羽子板
 かんむり  シロ  レバー  つくね
食事
 手羽先とレタスの鳥ガラスープ煮  
 鳥茶漬半人前  鳥そぼろめし半人前

もう、たまらないッス。
この店を知って以来、よそで焼きとんは食べるが
焼き鳥はめったに口にしなくなっちゃった。
食味のよさだけでなく、CPの高さまで抜群なのだ。
加えてズラリ勢揃いした珍品が何物にも代えがたい。
いくつかの珍しい品々を紹介してみよう。

北米大陸原産のアピオス(ほど芋)
photo by J.C.Okazawa

ほど芋とも呼ばれるが、マメ科の植物で
ネイティヴ・アメリカンの貴重な栄養源だった。

大動脈のハツモト
photo by J.C.Okazawa

ハツ(心臓)とはまた異なる弾力が魅力だ。

砂肝のエンガワ部分の砂肝ガワ
photo by J.C.Okazawa

砂肝よりもずっと繊細な食味が特徴

背肝と呼ばれる腎臓
photo by J.C.Okazawa

レバーよりも食感がきめ細かい

骨盤の羽子板(ハゴイタ)
photo by J.C.Okazawa

コリコリッとした歯ざわりが内臓の続いたあとのアクセント。

シロは焼きとん同様に腸のこと
photo by J.C.Okazawa

豚よりは細いが噛み締めるうちに
豚シロと同じ味がにじみ出たのは驚き。

ここまで紹介してきたが
実はもっとも貴重なカンムリの写真を撮り忘れた。
そう、カンムリはお察しの通り、
鶏のトサカ、いわゆる鶏冠のことであります。


【本日の店舗紹介】
「鳥昭」
 東京都台東区入谷1-26-7
 03-6325-8631

 
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2010年6月4日(金)

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