「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1029回
天は日本に味方した!

本来は昨日の続きを綴るはず。それを急遽変更。
そりゃそうでしょうよ、こんな僥倖はめったにない。
余命いくばくもないJ.C.が生きている間は
これが最初で最後の“やったぜ、ベイビー!”かもしれない。
まことにうれしいことに、天は日本を見捨てなかったのだ。

思いもかけない勝ち点3に浮かれることなく、
これは単なる棚ボタと割り切り、
往年のハードパンチャー、
藤猛(古いネ、まったく)じゃないが
 “勝ってカブトの緒を締めよ”と
おのれを戒めて次戦に臨まなければいけない。

何はともあれ、海外でのW杯初勝利は
とてつもなく大きな意義がある。
日本サッカーは今宵、
世界にデビューを飾ったと言っても過言ではない。

アフリカ大陸初のW杯も4日目。
ここでこれまでの主だった戦いを振り返ってみたい。
さっそく数時間前の快挙を語りたいところだが
そこはグッと我慢して順番通りに進めよう。
興味のない読者には申し訳ないけれど、
何せ4年に1度の大惨事、
もとい、大催事につき、お許しくだされ。

開幕戦の南ア―メキシコは大方の予想通りに引き分け。
同じA組のフランス―ウルグアイも分けたので
この4チームはまさしくダンゴ状態。
ガラガラポンでどこが勝ち抜けてもおかしくない。

韓国、やはり強し。日韓大会のとき以上。
アルゼンチンの勝利は順当。マラドーナの雄叫び。
アメリカ、大舞台での勝負強さをいかんなく発揮。

主審A、アフリカのアルジェリアに冷酷。
押し気味だったアルジェリアは不運。
主審B、同じアフリカのガーナに肩入れ。
ただし、ガーナの強さは本物。
結果としてスロベニアが笑い、セルビアが泣いた。
この2国は奇しくも旧ユーゴスラヴィア構成国。
アフリカ初のW杯で好意的な笛を吹いてもらえるのは
どうやらブラックアフリカ諸国に限られるようだが
カメルーンはその恩恵にあやかれなかった。
と言うか、微妙な判定を下す局面が少ない試合だった。

ドイツは強かった。
でもオーストラリアは似たタイプで格上の独・蘭・英には
成す術がないほどに苦手でそのぶんドイツの強さは割引。
オランダが2点差で勝ったのは日本にとって朗報なり。
願わくば3点差がほしかったが、それは欲張りというもの。
それにしてもオウンゴールを含め、間の抜けた2点ではあった。

さてお待ちかね、日本―カメルーン。
厄落としの済んだ日本に勝利の女神が微笑む。
カメルーンは相性の悪さモロ出しで
2度と日本の顔を見たくないのではないか。
相撲に例えれば、琴欧州―安美錦の顔合わせさながら。

岡チャンは松井の才能が五臓六腑に沁み込んだであろう。
頭脳・技術・センス・闘争心・運動量、
この一戦においてはすべて二重丸。
一方の勝利の立役者・本田はそこそこのキープ力に加え、
相手ディフェンスの背後に回ったあの動きは光った。
長谷部の安定感、阿部の献身とアイデア、
闘莉王のセルフコントロール、それぞれに評価できる。
今、波に乗っているGK川島の運気も見落とせない。

それにしてもカメルーンはデキが悪かった。
戦略に乏しく、スゴみがまったく感じられない。
最終盤、2度ほどヒヤリとさせられたが
わりと安心して見ていられたのは不甲斐ない相手のおかげ。

W杯本戦といえども、短期決戦に変わりはなく、
波乗り固めで大躍進とはいかないまでも
一歩ずつの前進は期待していいかもしれない。
初戦における勝ち点3は“宇宙の石”ほどの重さがあった。

 
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2010年6月15日(火)

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