第1052回
ぶらり多摩川線の旅(その1)
五反田駅と蒲田駅を結ぶ鉄道は東急・池上線。
若い恋人たちの別れを唄った西島三重子の「池上線」は
その時代の若者の心根をとらえた名曲だった。
“携帯漬け”の現代のカップルはもう、
こんな別れ方はしないのだろうな。
かぶさるように池上線の外側に沿って
目黒と蒲田を結んでいるのは、かつての目蒲線。
それが目黒―多摩川間が目黒線、
多摩川―蒲田間が多摩川線と改名されたのは
ちょうど10年前の8月のことである。
都心に棲んでいると池上線よりも
もっと利用する機会の少ない多摩川線に乗車した。
降り立ったのは蒲田始発の電車に乗って1つ目の矢口渡。
この駅名は“やぐちのわたし”と読む。
1949年まで駅の近くに多摩川の渡し船があったのが駅名由来。
当日の目当ては洋食店「レストラン・コニシ」。
レトロな空間で昔ながらの洋食を
食べさせてくれるという情報を得た以上、
極端にレトロ物(ニセモノは除外)に弱いJ.C.としては
「大利根無情」の平手造酒じゃないけれど、
「行かねばならぬ、行かねばならんのだぁ〜!」。
(相変わらず馬鹿デ〜ス!)
ほう、闇夜に浮かび上がった看板がいいじゃないですか。
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シンプルな立て看板
photo by J.C.Okazawa
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ウキウキして道路に面したサンプルケースをのぞく。
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こういうのに弱いんだヨ、J.C.は!
photo by J.C.Okazawa
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入店前からワクワクである。 さて、ドアを引いてみました。
「いらっしゃいませ」の発声先を目で追うと
カウンターの中に真っ白なコック帽の店主がいた。
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店内もいいカンジである
photo by J.C.Okazawa
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あちこちにメニューが貼り出されており、
ついつい、キョロキョロしてしまう。 メニューの整理整頓を試みた。
おびただしい種類の料理があふれ返っているので
相当数を割愛せざるをえない。
しかしながら、これこそ本来の優良洋食店の姿である。
ランチ(ライス・スープ付き)
A |
ハンバーグ&魚フライ |
700円 |
B |
ポークソテー&貝柱フライ |
800円 |
特 |
焼肉・海老フライ・オムレツ&コーヒー |
1200円 |
スープ
コーンポタージュ、コンソメ |
各400円 |
玉子スープ |
500円 |
一品定食(ライス・味噌汁付き)
二品定食( 〃 )
三品定食( 〃 )
単品(ライス別)
メンチカツ |
550円
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チキンカツ |
650円 |
イカバタ焼き |
650円 |
貝柱バタ焼き |
850円 |
ハンバーグ玉子付き |
550円 |
ポークピカタ |
650円 |
まだまだあるので、それはまた週明けに。
=つづく= |