「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1059回
相撲と賭博と日本人(その1)

ともあれ大相撲名古屋場所が無事に終わった。
この機会に野球賭博に端を発した諸問題について
私見を述べてみたい。
「またスポーツネタかよ!」と
お嘆きの方々にはしばしのご辛抱を。

まず心より思うのだが
貴闘力と琴光喜に対する罰は重すぎやしないか?
確かに暴力団が絡んでいることに問題があるとしても
あまりに非情な裁きだったという気がする。
暴力団に関してはまたあとで言及しよう。
賭博行為は最高でも罰金刑で退職金や功労金の没収とは
ずいぶん高額な罰金を課したものだ。
賭け金の額や常習性だけで極端に異なる“判決”は
裁かれる立場にしてみたらたまったものではない。
2人の行く末を思うと気が重いし、
そのご家族には同情を禁じえない。

しかし日本人ってのは浅ましい民族ですな。
自分の罪を棚に上げて頬かむりしておきながら
他人のことは徹底的に叩こうとするんだから。
誤解を怖れずに極論すれば、
たかが野球の勝敗に小金を賭けただけじゃないの。

海外を見てごらんなさい。
とてもとてもこんな生やさしいもんじゃありやせんぜ。
W杯に関する賭博なんざ、
ブックオフィスが白日のもとで取り仕切っていて
莫大な賭け金が飛び交っているのが現状。
それも優勝国がどこそこなんて単純なものだけでなく、
大会の総ゴール数だとか、
イエローカードの総発券数まで賭けてるんだから
驚いちゃいますよ、ホントに。

その点、日本人のギャンブルに対する感覚は
あまりにもナイーヴというか、愚直かというか、
イスラム世界は別として
世界最貧国であることに間違いはない。
そういえばサッカーくじ導入の際にも
目くじら立てて逆らったワケの判らんオバはんたちが
ウンカの如くにわんさか湧き出たものなぁ。

こんな国民性だからこそ、
セコさとダサさの象徴のパチンコなんぞがはびこるんだ。
(パチンコファンのみなさん、ごめんね、ごめんね〜!)
同じギャンブルにしてもモナコのカジノと
新小岩のパチンコじゃ、まるで月とすっぽん。
彼我の差に愕然としてしまう。
「カジノに出掛けるぞ!」――この一声で
パツキン美女がぞろぞろついてくるのに
「パチンコやりに行くぞ!」――これじゃ
犬猫だってついてきやしないよ、ったく!

賭け金の大きさからいったら
真の博奕(博打の代わりにこの字を当てると迫力が増す)は
競輪でも競馬でもなく、ましてや野球賭博なんかでもなく、
やはり株式や外国為替の売買じゃないでしょうかね。
野球賭博なんて鼻クソみたいなもんで
一流企業からお役所に至るまで
春夏の甲子園や日本シリーズのシーズンになったら
どこでもしょっちゅう張られているものだ。
結局、問題視されるべきは暴力団との関わりに絞られる。
その辺りは明日また、踏み込むことにしましょう。

                =つづく=

 
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2010年7月27日(火)

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