第1067回
フランスの郷土料理が全員集合!
2008年1月にオープンした銀座「Le Nougat」は
同じく銀座のワインバー「シノワ」の系列店。
同好の士に誘われて初めて訪問した。
事前にHPを検索したのが夜中だったので
いきなりヘンな歌が始まったのにはたじろいだ。
マスコットのつもりだろうか、
ピンクの象さんが登場するやら
おかしな関西弁のメッセージが流れるやらで
頭の固い人種には、ちとシンドい内容。
悪ノリが度を越して悪フザケの域に達しているのだ。
♪ 象がシャワーを浴びて ボクのベッドで寝てた ♪
なんて、人を食った歌詞が続くのだ。
こういうのが好きな人はけっこうハマるかもしれない
まあ、罪はないけれど、センスもないやね。
広くはない店内は天井が高いから狭さを感じさせず、
殊に2階席は居心地がいい。
謳い文句によるとフランス全土のビストロ料理が
60種類も揃っているという。
どれどれ、実際にメニューを検分してみた。
ふむふむ、北はアルザスのシュークルートから
南はラングドックのカスレまで
立派にカバーしてるじゃないですか。
ほかに郷土色の強いメニューは
ブランダード、スープ・ド・ポワソン、
エスカルゴ・ブールギニョン、サラダ・ニソワーズ、
キッシュ・ロレーヌ、ブイヤベースといった面々。
フランス産ビールのクローネンブールを飲みながら
目を通した時点でスープ・ド・ポワソンと
ブイヤベースのどちらかは外せないと思っていた。
結局、われわれがチョイスしたのは
干鱈入りポテトサラダのブランダード、
クレソンとシャンピニョンのサラダ、
デミサイズのブイヤベースにスープ・ド・ポワソン添え、
スペイン産コクレ(ひな鳥)のロティにラタトウイユ添え、
以上、4皿である。
ワインはジルジュ・リニエのモレ・サン・ドニ‘06年。
相方が下戸のためにハーフボトルをお願い。
代わりに下戸はヌガ・グラッス(ヌガーのアイス)を注文。
ブランダードはそれなりながらサラダは思惑通り。
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クレソン&シャンピニョンの彩りがさわやか
photo by J.C.Okazawa
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もっともこれは素材さえしっかりしていれば間違えようがない。
よかったのはスープを別添えにしたブイヤベース。
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存在感あふれるラングスティーヌ(赤座海老)
photo by J.C.Okazawa
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具材はほかに真鯛・真だこ・はまぐりの陣容。
本場ならば多彩な白身の小魚が舌を喜ばせてくれるのだが
このスタイルにも相応の満足はできた。
コクレは上々の焼き上がりだ。
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こんがり焼けたスペイン産ひな鳥
photo by J.C.Okazawa
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日本人はことあるごとに解体して焼き鳥にしちゃうけれど
J.C.は丸ごと焼いたローストチキンが好み。
内臓は焼き鳥に限るが、ももや胸肉は1羽丸ごと焼くのがよい。
鉄板焼きのサイコロステーキより、
自分でナイフを入れたステーキのほうが
おいしいのと道理は同じことだろう。
期待にたがわぬ食後感を抱きながらも
生ビールに惹かれて「銀座ライオン七丁目店」へと向かった。
ここの大ホールは身を置くだけで幸せだから
下戸の方でも快適なのである。
【本日の店舗紹介】
「Le Nougat」
東京都中央区銀座6-12-2
03-6254-5105
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