「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1124回
ガレージで一騒動(その3)

え〜っと、昨日はどこまで書いたかな?
水産会社のオジさんの説明であった。
宅配業者も販売業者も真っ当な回答ができずに四苦八苦。
ああ、面倒くせえ野郎が出て来やがった! 
そう思ってイライラしていることだろう。

その翌日であった。
意外なことに「毎味水産」の女性から電話が入った。
前日に騒動の発端となった料金の内訳を説明してくれた人だ。
愛知県・一色町の上司から
「お前、なんとか上手いこと言いくるめておけよ」――
なんて、愚かな指示が出ているに相違ない。
しっかし、たらい回しの堂々巡りの末、
最後のトラブルシュートを若い女性社員に押し付けるかね。
世の中、役に立たないオトコどもが多すぎる。
何のためにタマをブラ下げているのか知れたものではない。

双六(すごろく)に例えれば、
丸1日かけてふりだしに戻ったわけだ。
やれやれ。
その彼女が言い放った。
「今回は代引き手数料と振込み手数料の合計で
 630円になりましたことをご納得いただけますか?」
おい、おい、納得できるわけがないでしょう。
何の説明にもなっていない。
まあ、彼女が悪いわけではないが
意図して注文時に料金の説明をせず、
配送時に明細書の添付を避ける。
両社ともにやましさがあるからだ。
越後屋も越後屋なら、尾張屋も尾張屋である。
限りなくブラックに近いグレーな商法と言わずして何と言う。
実体のない振込み手数料は経理上、どう処理されるのだろう。

まっ、このくらいで不正追求のホコをおさめるとして
やっとこさ、蝦蛄である。
日曜の午前中、600g入りのデッカいパックが2つ届いた。
うち1つをそのまま冷蔵庫にしまい、緩やかなる自然解凍。
もう片方は冷凍庫に直行である。

そうこうするうち、秋の陽は傾いて夕餉の支度のお時間。
開いてみると、1パックに50尾近くも入っている。

グロテスクと見る人もいるがJ.C.の目には可愛い
photo by J.C.Okazawa

さてこれからが一騒動であった。
料理バサミを駆使して殻をむくのだが、これが厄介極まりない。
頭と尻ッ尾を落とし、身の両サイドを脚ごと切り離す。
あとは殻から身肉をはがし取る。
身がグズグズと柔らかいのが混じっていて難儀だ。
途中でイヤになってもやめるわけにはいかない。
その代わり、むき終えたときの達成感は大きかった。

こんなにまとめて蝦蛄を食べるのは初めて
photo by J.C.Okazawa

鮫皮の板でわさびをすりおろし、
日本酒を垂らした生醤油でいただく。
身のしっかりしたものはなかなかの美味である。
しかしこのときは後日、
もう一騒動持ち上がることなど、夢にも思わなかった。

むき捨てた頭と殻も無駄にはしない。

よい出汁を期待してガラを炊く
photo by J.C.Okazawa


出来上がった蝦蛄のコンソメ
photo by J.C.Okazawa


マギーの無化調野菜コンソメで味を調え、
きざんだセロリの葉を散らす。
こうして蝦蛄を満喫したのであった。
いろいろと騒動に見舞われはしたけれど、
食われる蝦蛄に罪はない。


【本日の店舗紹介】
「毎味水産」
 愛知県幡豆郡一色町大字一色字西塩浜211
 0563-72-8511


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2010年10月26日(火)

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