「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1144回
カリブの風に吹かれたい(その1)
=れすとらん しったかぶり=
あのころのニューヨークシリーズ(8)

クスリ汚染の醜聞がいまだに絶えない芸能界。
クスリは性犯罪と似たところがあって
いったん足を踏み入れると、
常習性からなかなか足が洗えなくなる。
シミケンにしろ、タシロにせよ、
まったく付ける“クスリ”がないとはこのことだ。

いきなりだが初めてのジャマイカ旅行。
かれこれ15年ほど前のハナシながら
到着した首都キングストンのホテルの部屋で
何気なしにルームサービスのメニューを開いたら
そこから何かがポトリと足元に落ちた。
指でつまみ上げれば、何とマリファナではないか!
さすがに本場だと、びっくりした覚えがある。
おそらく先客が見捨てていったか、忘れていったモノ。

今回は久々にあのころのニューヨークシリーズ。
1990年代、読売アメリカ金曜版に連載した
「J.C.オカザワの れすとらん しったかぶり」から
抜粋して転載するものである。
ジャマイカつながりで
今日は読者をカリビアン・レストランにお連れしたい。

先週の水曜日(12月7日)、
雨上がりとともに気温が下がっていきなり冬がやって来た。
長かった今年のゴルフシーズンもこれで一巻の終わり。
カリブの島へ出掛けて行って
ゴルフ三昧といきたいところだけれど
時間とお金のやりくりがつかない。
かといって冬のあいだずっと、ジッとしてるのもシャクだから
せめて食卓の上だけでもカリブの風に吹かれるとしよう。

カリブの料理といえば真っ先にジャマイカ。
「カナダのマスタード、メキシコのチリ」――で始まる、
日本通運のテレビCMが
「ジャマイカのオールスパイス」と続ける通り、
ここは世界に冠たるオールスパイスの一大産地。
この香辛料、いろいろなスパイスの寄せ集めと誤解されるが
実は黒胡椒そっくりの丸い実で、色は濃いチョコレート色。
シナモン・クローヴ・ナツメグの香りを併せ持つため、
三香子の異名をとる。
当然、ジャマイカ料理に多用されるものの、
実際はチリの辛味に隠れて脇役に甘んじている。

「Island Spice」。
店名からしてすでにスパイシーだ。
皮切りのアペタイザーにはペッパーシュリンプをお願い。
種ごと砕いたレッドチリが効きに効いて
口の中は放火でもされたように、ヒーハー、ヒーハー。
 (J.C.はお笑いのブラックマヨネーズなんかより
  ずっと前からヒー!ハー!を叫んでいたのだ)

ここでピーポー、ピーポーと
ファイヤーエンジン(消防自動車)の役割をはたすのが
ジャマイカのビール、レッドストライプ。
清涼感あふれる軽いタッチのビールで
この消火活動なしには食事が先に進まない。

とまあ、こんな感じで
思い起こせば下手なインド料理屋や韓国料理屋より、
ずっと辛(から)い思いをしながら食事をとっていた。
この続きはまた明日。

            =つづく=


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2010年11月23日(火)

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