「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1147回
函館は塩ラーメン

北海道の三大ご当地ラーメンは
札幌の味噌、旭川の醤油、函館の塩である。
まさに不動のトリオだ。
つらつらと思い浮かべるに
亜流だとしてもよりユニークなのがあっていい。
例えば根室の蟹ラーメン、羅臼の昆布ラーメン、
帯広の牛乳ラーメン、厚岸の牡蠣ラーメン
利尻の海胆ラーメンはどうだろう。
鵡川のししゃもラーメン、
留萌のにしんラーメンもいいかもしれない。
ただ、余市のウイスキーラーメンは無理があるかな。

ほかにネーミングだけでも面白いのがいくつかある。
阿寒湖のマリモラーメン、釧路の夜霧ラーメン、
室蘭の鋼鉄ラーメン、知床半島一帯はこぞって流氷ラーメンか。
このエリアはあざらしラーメンでもよさそうだ。
網走の監獄ラーメンはいくらなんでも悪ノリが過ぎるね。

北海道のラーメン御三家では
函館の塩ラーメンが一番好きだ。
11年前に訪れた本場・函館の「星龍軒」はよかった。
あまりの旨さに2晩続けて通ったくらいである。
それもそれぞれ他店で夕食を済ませたあとのこと。

フード・ダイアリーにはこうメモッてあった。
第1夜
 餃子はまずまず。
 野菜炒め目玉焼き落としは
 スープの多いチャプスイに似たタイプ。
 何よりも塩ラーメンがすばらしい。
 スープのコクは豚のゲンコツに因るもの。
 ノビてもヘタらない細打ち麺が花マル。
 飛び込みにもかかわらず、大当たりとなった。
第2夜
 シナチク&榨菜を頼むと焼き豚がサービスされた。
 それではとラーメンの焼き豚を抜いてもらう。
 つまみにとったかつ丼のアタマが極上。
 東京のかつ丼・ベスト5に選抜したいくらい。
 今度は醤油ラーメンを所望してこれまたよし。
 スープちょいしょっぱいが深いコク味がたまらない。

あれから行く機会に恵まれないけれど
いろいろ調べてみたら、今もかなりの人気だという。
うれしさも手伝い、古い食体験を紹介した次第。

さて、さて、現代に戻ってこちらは恵比寿だ。
ガーデンプレースからそう遠くない場所で
見初めたのは「函館らーめん しお貫」。
恵比寿と田町を結ぶバス通りに面している。

オープンエアにもテーブルが2卓
photo by J.C.Okazawa

購入した食券はシンプルな塩らーめん(650円)。

ちぢれ細麺がいかにも函館
photo by J.C.Okazawa

スープの色こそやや濃い目ながら
函館塩ラーメンらしい風貌を備えている。
ツルツルとすすり込み、気分は函館に翔んだものの、
やはり「星龍軒」には遠く及ばない。
塩気もトンガリ気味で穏やかなコク味に欠ける。
つくづく函館市民がうらやましいと思う日であった。


【本日の店舗紹介】その1
「星龍軒」
北海道函館市若松町7-3
0138-22-0022

【本日の店舗紹介】その2
「函館らーめん しお貫」
東京都渋谷区恵比寿3-3-2
03-6408-1501


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2010年11月26日(金)

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