「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1148回
夢のカリフォルニアざくろ(その1)

このところいよいよヤキが回ったというか、
はたまたボケが始まったといおうか、
何やらそんな気配の忍び寄りを感じて
柄にもなく独りおののいている。

毎週のことだが週刊誌を買うために
先週も近所の書店に出向いた。
週刊誌はそこそこ読みでがあるから
そう幾冊も購読できない。
ときどき寄稿するよしみで
コンスタントに目を通すのは週刊現代1誌のみ。
その日もぼんやりとラックから1冊抜き取った。
やけに薄いなという感触が指先にあったものの、
気にも留めずにそのままレジへ。
「350円になります」――書店のお兄さんの言葉に
オヤ、オヤ、 出版不況もとうとうここまで来たか、
天下の講談社が50円の値下げを断行したんだ。
そう思ったことだった。

帰宅後ページを開いてびっくり。
目に映る景色がまったく違う。
狐につままれて表紙を見直したら
あれま、何とサンデー毎日ではないの。
涼やかな眼差しで原田美枝子がこっちを見ている。
おのれのもうろくぶりがまったくもってイヤになっちゃうけど、
両誌とも表紙が女性のポートレートだから
紛らわしいったらありゃしない。
おっと、自分の非を他人になすりつけるのはボケた証拠だ。
まっ、いいでしょう、いいでしょう、
気を取り直し、その日はサンデー毎日を熟読。

原田美枝子といえば、今を去ること四半世紀、
いや待てよ、1981年だから29年前になる。
六本木「瀬里奈」の向かいにあった仏料理店、
「ボファンジェ」でたまたま出会った。
彼女の写真集を撮ったばかりの勝新太郎、
そしてその取り巻きと一緒で総勢6人ほど。
当時のJ.C.はミーハーだったんでしょうね、
図々しくもご両人のサインを連名でおねだり。
色紙なんかあるわけないからナプキンにお願いである。
もちろん紙ではなく、布のちゃんとしたヤツ。
店の許可を得たわけじゃないが
見ていたギャルソンが何も言わないので
こちらは勝手に“暗黙の了承”と理解する。
 J.C.:「家宝にしますから、ぜひお願いします!」
 勝新:「おい、おい、本当かい? へっへっへ」
 原田:「すぐ捨てられちゃったりして・・・」

こんなやりとりが交わされた。

ハナシは現代に戻り、サンデー毎日購入の数日前。
「赤札堂」で特大のざくろを発見。
ざくろジュースは何回か飲んだことがあるが
果実のほうははるか昔に1度食べただけだ。
ずいぶん酸っぱい果物だったと記憶している。
フルーツなんかめったに買わないのに
やはりヤキが回ったのだろう、
金480円也の米国産ざくろをついバスケットに。

ともあれ冷蔵庫で冷やし、食べる直前をご覧あれ。

真っ赤に熟れた巨大ざくろ
photo by J.C.Okazawa

これではサイズが掴めないか、じゃ、これでいかが?

ソムリエナイフを添えました
photo by J.C.Okazawa

どうです、ぶったまげるでしょ。
ざくろって、こんなにデッカくなるもんだったんだ。

          =つづく=


←前回記事へ

2010年11月29日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ