「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1157回
踏切を渡る 茶碗蒸し(その2)

東急・池上線と大井町線がクロスする町、旗の台。
かつて西島三重子が歌ったヒット曲、
「池上線」のモデルになったのはここだと長らく信じていた。

 ♪ 泣いてはダメだと 胸にきかせて
    白いハンカチを にぎりしめたの
    池上線の走る町に あなたは二度と来ないのね
    池上線に揺られながら 今日も帰るわたしなの ♪
                   (作詞:佐藤順英)

ところが調べてみると、実際は本門寺お膝元の池上駅。
作詞者の実体験から書かれた詩であった。
二番の歌詞に商店街を通り抜け、踏切渡るシーンがあるのだが
池上駅だと地理的矛盾が生じてしまう。
まっ、実体験に多少の創作を加味したのだろう。

さて、さて、こちらは旗の台の踏切、踏切!
線路上ですれ違った娘さんが手にしていたのは
お盆に載せた陶器の茶碗であった。
同じ陶器の蓋が付いている。
町中(まちなか)でこんな光景に出くわすことはまれだが
一べつしたところ、どうやら茶碗蒸しのようだ。
当たりをつけるのと同時にピカッとひらめいた、
あれは「鳥樹」の東口店が本店のために作った茶碗蒸しだ!
狭い本店では蒸し物や揚げ物はムリだと聞いたことがある。
ウラを取るため、すれ違いざまにUターンして彼女を尾行する。
尾行といってもストーカーに間違われない程度の至近距離。
案の定、彼女は「鳥樹本店」の暖簾をくぐっていった。

その踏切の前に集合した4人組はそのまま東口店に直行だ。
自己紹介もそこそこにサッポロ黒ラベルの大ジョッキで乾杯。
郷に入ったら郷に従えのことわざ通り、
料理の注文は月イチのペースで訪れるT利夫妻にお任せした。
いただきモノはかくの如し。

 うずら玉子黄身乗せ納豆&鳥ガラスープ(以上お通し)
 鳥わさ  鳥たたき(にんにく入りおろしポン酢)
 焼き鳥(皮身・ぼんじりなどミックスねぎ間)
 煮込み(鳥もつ大根入り) 鳥サラダ胡麻ドレッシング
 鳥焼き・・・ハツモト・気管支・レバー・バラ(首肉)

当店ではハツモトをパート2、気管支をパート3と称する。
焼き物には串が打たれておらず、
基本的に各部位の塩焼きが中皿に盛られてくる。
誰かが言っていたが、ここは焼き鳥屋ではなく鳥焼き屋。
まことに言い得て妙である。

お通しの納豆には面食らった。
J.C.が納豆を食べるのは朝食限定。
好きな食べ物ではあるけれど、
外食時に隣りで食べられるのはイヤ。
ハタで嗅ぐと、けっしてよい匂いではないからだ。
従って昼めしどきに納豆の小鉢は頼まないし、
晩酌時にまぐろ納豆や納豆オムレツを注文することもない。
それでもうずらの黄身のおかげ様、無難にクリアした。

当夜のベスト3は、@焼き鳥 Aバラ Bハツモト
飲みものは生ビールに絞ったものの、かなりの量を飲んだ。
鳥焼きも1皿にボリュームがあって一同、満腹の巻である。
だのに会計は1人アタマ3千円ポッキリ。
T利サン、優良店のご紹介にあらためて感謝します。
そして大いに楽しゅうございました。


【本日の店舗紹介】
「鳥樹東口店」
 東京都品川区旗の台2-9-22
 03-3787-7218


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2010年12月10日(金)

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