「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1156回
踏切を渡る 茶碗蒸し(その1)

昨日のコラムについてQさん編集部のN雲サンから
こんな質問が届いた。
散弾が入っているなんてビックリしました。
弾丸はもしも食べてしまっても大丈夫なのでしょうか?

ですよね〜ェ?
よい機会なので散弾ついて説明しておきましょう。
散弾には有毒な鉛製と無毒な鉄製&非鉄製(錫など)があり、
当然、鉛は人体にとっても有毒。
小石と間違え、鉛弾を飲み込んだ水鳥は中毒死する可能性大。
古くから北米では鉛弾が規制されており、
欧州もその傾向にあるが日本の対応は遅れ気味。
鉄弾は鉛に比べ比重が軽く、殺傷能力では劣る。
逆に硬度は高いから跳弾(跳ね返り)の危険度が増し、
ジビエの体内に残った弾を噛むと歯を痛めることもある。
「サン・ル・スー」でガリッときたのは
指で触った感触からは鉄製だったかな?
さように一長一短があるにせよ、
自然界にとってベターなのは非鉛系であることは明らかだ。

さて、今日の本題。
先日、当コラム読者のT利サンからメールをいただいた。
武蔵小山訪問記(第1137&1138回参照)を読まれて
当該店よりよいところがあると、
推奨店を紹介してくれたのである。
何回かメールでやりとりしているうち、
それでは一夜、ご一緒しましょうということに相成った。

有力候補のチュニジア料理店は女性シェフが病気療養中で
代わりの料理人が厨房に入っているものの、
料理・雰囲気ともに変わってしまったとのこと。
それではと、二番手候補の焼き鳥店「鳥樹」に決める。
所在地は武蔵小山からほど近い旗の台。
当地ではなかなかの人気で
池上線踏切そばの本店に加え、近所に東口店がある。
もう1軒、蒲田にも支店を構えている。
本店の混雑時に手が回らなくなると、
東口店が本店の料理注文をさばいたりもするそうだ。

その夜、旗の台に集結するのはT利サン夫妻と
これもコラム読者のM原サンの計4人。
約束の時間よりずいぶん早く到着したJ.C.は
さっそく駅周辺の探索である。
縁薄いこの町のうどん屋「でら打ち」に
出向いたのはもう8年も昔のこと。
目黒「勝丸」出身の店主が起こした「勝味」が閉業し、
居抜きで入った「らーめんOne万」の訪問からも
すでに3年の月日が流れている。
「でら打ち」と「One万」の健在に正直、ホッとした。

当たりをつけておこうと「鳥樹東口店」の下見。
カウンターにいくつか空席があった。
2階もあるから「満席お断り」の心配はなさそうだ。
踏切を渡り、「鳥樹本店」に回る。
本店であるうえ、キャパも小さいので
カウンター・テーブルともにいっぱいイッパイ。
「今宵は東口店でキマリだな」――そう思いつつ、
踏切を再度渡り返した。

そのときである。
前方から若い娘がしゃなりシャナリと歩いてきた。
すれ違ったのは線路の上だが
彼女が手にしていたのは実に意外なモノであった。

              =つづく=


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2010年12月9日(木)

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