「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1166回
空飛ぶニワトリ(その2)

国立市・谷保の谷保天満宮でおののいている。
何におののいているかというと、
頭上に君臨する鳥たちにである。
ヒッチコックの映画「鳥」を持ち出すまでもなく、
人類にとって鳥類はけっこう怖い存在ではなかろうか。
かくいうJ.C.もカラスなんか大嫌いだモンね。
瞳をこらして
ワシやタカの猛禽類でないことは確認済み。
フクロウ・ミミズクの類いでもないが
無害・安全な雀や鳩でもなかった。
正体はサブタイトルにあるようにニワトリである。

オメエたちは何でそんなところに?
photo by J.C.Okazawa

ニワトリは空を飛べるのだろうか?
世の中には同様の疑問を持つ方がいるんですな。
YAHOO!知恵袋でこんな質問とベストアンサーを見つけた。

Q:ニワトリって最大どこまで飛べるのですか???

A:大きなカラダにスカスカの翼なので、
  「空」を飛ぶ、というのは無理ですが、
  数mの高さなら羽ばたいて飛び上がることができます。
  例えば建物の軒下とか、木の枝など。
  神社で放し飼いになっているご神鶏など、
  夕方になると“ねぐら”に飛び上がっていくのを
  見ることができますよ。

へえ〜っ、なるほどね。
コヤツらはまさにご神鶏だったんですねェ。
地上にも数羽居たのでたまたま登戸のパン屋で買ったパンを
ちぎって与え始めたら、さあ大変!
頭上の枝から次々と舞い降りてくるではないのっ!
それも渡り鳥なんかが着地するときみたいに
両翼で逆噴射というか、バックスピン掛けちゃったりしてね。
その時点ではニワトリが少しは飛べることを知らないから
首をひねりヒネリして国立の街へ。

途中、富士見台団地を通り掛かった。
いや、いいトコですなここ。
都内にも砂町やら高島平やら光が丘やら
デッカい団地が多々あるけれど、いずれも生活感に乏しい。
住んでる人にとっちゃ余計なお世話だろうが
あまりに即物的な風景が広がっているだけなのだ。
ところがここ富士見台は子どもたちが戯れ、
周囲の店々ではママたちが買い物にいそしみ、
昭和30年代のホームドラマを観るような温もりを感じた。

かくして驚いたり、和んだりしながら
開店の17時ちょい前に国立の「まっちゃん」に到着。
焼きとんと煮込みがウリの人気店である。
すでにコの字形カウンター、小上がりともにいっぱい。
何とか最後の最後に滑り込めたという感じ。
女性客は土曜日の来店を乞う旨の貼り紙が壁に。
これをどう読み取るかは人それぞれだろう。
率直にJ.C.は好もしく思った。
ウルサ型の女性がどう受け止めるかは知らん。

キリンラガーでさっそく煮込みを豆腐入りで。
豆腐抜きもOKだし、逆に豆腐だけなんて“通”もいた。
モツを一口つまんで一拍おき、あふれる滋味に納得。
ずっと中央線沿線の煮込みのレベルを侮ってきたが
これは紛れもない本物、沿線随一の折り紙をつけたい。

ウスターソースが別添えの生キャベツは
周囲がみな頼むから負けてはならじと追従。
そうしておいて燗酒(雪国だったかナ)に切り替え、
待ちかねた焼きとんを片っ端から平らげてゆく。
コブクロ・カシラ・ハツ・スキミは塩、
レバ・シロはタレで味わう。
スキミというのは鳥の首肉、いわゆるセセリだ。
これが唯一の焼き鳥系であとは焼きとんオンリー。
スキミはとても旨かった。
でも、のどを通る瞬間にさっき見たニワトリの逆噴射が
脳裏をよぎって行きましたがな。


【本日の店舗紹介】
「まっちゃん」
 東京都国立市東1-4-18
 042-575-5443


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2010年12月23日(木)

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