第1169回
2010年の月間チャンピオン=ランチ篇=(その1)
さあ、今年もやってまいりました。
年末恒例の月間チャンピオン4連打。
1年間にわたる食べ歩きを振り返り、
ランチ&ディナーのマンスリーMVPを選出するものです。
第1回目の本日は今年前半のランチ王を発表します。
1月某日
デリー本店(湯島)・・カレー
西銀座と東京ミッドタウンに支店を展開。
でも、狭っ苦しい本店で食べてこそ、
この店の真髄にふれることができよう。
さつま赤鶏とインカのめざめを使った、
激辛のカシミールスペシャルには
汗タラタラ鼻水ダラダラで自虐的な歓びがあった。
2月某日
室町砂場(日本橋室町)・・日本そば
ここ十余年、欠かさず年に数回は訪れている。
同系の「赤坂砂場」を推す向きが多いが
ゆったりと寛げる「室町砂場」の空気が好きだ。
この時期ならば、青柳の貝柱使用のはしらそばが小粋。
しかるにイチ推しは天とじで
かき揚げを玉子でとじたつゆそばは身を心を温める。
3月某日
あら輝(東銀座)・・鮨
世田谷から銀座へ進出後、初めて訪問。
以前より本まぐろ偏重主義が目立つようになった。
まぐろだけが鮨種ではないけれど、旨いものは旨いから厄介。
真鯛松皮のにぎりは危うく空中分解するところ。
指でつままずに箸を使う食べ手は要注意だ。
まぐろのダメ押し、名物チョモランマは好みではない。
4月某日
京すし(京橋)・・鮨
昼の鉄火丼が白眉中の白眉。
この日は〆さばと酢あじのハーフ&ハーフを
当て込んで来訪したものの、早くも酢あじがヤマ。
オール〆さばでは、いささかキツいので
結局はいつものようにバラ色も麗しい鉄火丼に帰結。
都内指折りの優良ランチがこの一鉢である。
5月某日
宮川本廛(築地)・・うなぎ
手間ヒマ掛かるうえに利ざやの少ないうなぎ屋商売。
南千住「尾花」のごとくにあざとい商法を
大上段に構えられると足が遠のいてしまうが
この店は敬愛してやむことがない。
重箱・どんぶり選択可が何とも好もしく、
うな丼(ロ)をありがたくいただいて高楊枝。
6月某日
前川(恵比寿)・・ラーメン
恵比寿はビールとガーデンプレースのみに非ず。
バス通り裏(昔、そんなドラマがありました)に
ひっそりたたずむ中華そば店が侮れない。
切盛りされる老夫婦が醸し出す雰囲気たるや、
訪れる者を古く良かりし昭和へといざなう。
ここですする1杯のラーメンが明日への活力を育む。
明日はランチ篇の後半をおとどけします。
=つづく=
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