「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1174回
東の「倉井」西の「せきざわ」(その2)

そろそろおせち料理に飽きる頃。
こんなときに食べたくなるのが
カレー・ラーメン・スパゲッティあたり。
かつ丼やオムライスもいい線でしょうね。 
年明け間もない「食べる歓び」は
昨日の「倉井ストアー」に続いて「せきざわ食堂」。
所在地は城東・立石の反対側、城西・東長崎である。
現在の豊島区には古くから長崎村なる村があり、
東長崎駅は長崎一帯の西端に位置するのに、なぜ東長崎なのか?

偶然に判明したことだが、いや驚きましたね。
論理としては京都に対して東の京の都だから
東京都というが如し、なんですな。
要するに九州の長崎に対しての東長崎ということ。
これは福岡県・久留米に対する東久留米、
奈良県・大和に対する東大和もまったく同じ。
どうです? 新年早々、勉強になったでしょ?
そんなこと、とっくの昔に知ってたよ! ってか?
ウソだ〜い!

へらず口はこれくらいにして先に進む。
東長崎の「せきざわ食堂」である。
こちらは駅から数分の距離にあり、道順もシンプルだから
よほどの方向音痴でもない限り、迷う心配はいらない。
それにしてもちょっと見ないうちに
東長崎駅が立派になったこと。
踏切撤廃のため、駅の高架化は時代の趨勢とはいえ、
いきなりドデンと大きな建築物に遭遇すると驚きも大きい。

年配のご夫婦が2人だけで営む「せきざわ食堂」は
あと数年で創業半世紀を迎えるという。
大きく“大衆食堂”と染め抜いた暖簾にいつわることなく、
ずっと以前から大衆価格を貫いているのだ。
中高生でも出入りできる値段だったから
そのときの坊主頭が今ではハゲ頭に変身して
ひょっこり顔を見せるのだそうだ。
こういうのは客商売冥利に尽きるのではないか。

ビールの大瓶は520円と「倉井ストアー」を上回るものの、
フードメニューは下回っている。
見てみよう。
 マカロニサラダ 120円  肉じゃが・野菜炒め 160円
 ハム入りオムレツ・焼きウインナー 180円
 あじフライ・さば味噌煮 240円  豚肉生姜焼き 320円

いずれもプラス170円で定食になる。
あじフライ定食が410円かァ、まいっちゃいますねェ。

片っ端からというワケにもいくまいが、のっけから3品お願い。

ホントに豚肉とじゃが芋だけの肉じゃが
photo by J.C.Okazawa


ホントに野菜だけの野菜炒め
photo by J.C.Okazawa


この値段でハム入りとは!
photo by J.C.Okazawa

気に入ったのはハムオムレツである。
実はこのメニュー、品書きにはオムレツとあるだけ。
ハム入りを強調すれば注文が増えるのになァ。

いろいろ取れるように一品、一品が適量なのがありがたい。
ビールのお替わりとともに
値の張る(といっても320円)生姜焼きを追加した。

案の定、マカロニサラダがレモンの下に
photo by J.C.Okazawa

実は最初にマカサラを頼むべきか迷ったのだが
ソテーやフライには付合わせてくると予想したのだ。
われながら鋭い読み、でもないか。

立て混むほどではないにせよ、
単身や2人連れがパラパラとやって来る。
そしてこの店も「倉井ストアー」同様に男性客ばかり。
常々思うことながら、この国ほど飲食店のジャンルによって
男女が真っ二つに分かれる国はない。
大衆酒場や大衆食堂は男の天下。
ピッツァにパスタ、スープにサラダを供する店は女の聖域。
男女、七歳にして席を同じうせず、
いまだに悪しき因習が残る後進国に、今日もまた陽は昇る。


【本日の店舗紹介】
「せきざわ食堂」
 東京都豊島区長崎4-28-10
 03-3973-0263


←前回記事へ

2011年1月4日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ