「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1175回
あの店は月間チャンプ足りえたか?(その1)

大晦日に発表した2010年の
月間チャンピオン=ディナー篇=(その2)において
見切り発車で12月のチャンプに選んだ「新ばし しみづ」。
いま一度その論評を振り返ってみると

12月某日
新ばし しみづ(新橋)・・・鮨
 白状すると、今月はまだ訪れていない。
 このコラムの締切り後におジャマする予定なのだ。
 にもかかわらず選出したのはここへ行くこと叶えば、
 今月のディナー・チャンプにおさまることは必至だからだ。
 したがって何を食べ、何がよかったのかはまだ書けない。
 アメリカの経済指標よろしく、速報値とご理解のうえ、
 改定値、および確定値の発表をお待ちいただきたい。

と、なっている。
で、その結果は思惑通り、チャンピオンに確定であった。

12月は「しみづ」のほかに有力候補が目白押し。
西銀座の「鮨 大河原」、浅草観音裏の「基寿司」、
神田のあんこう専門店「いせ源」、
西荻窪の「ビストロ・サン・ル・スー」といった面々で
有楽町の牡蠣料理店「レバンテ」は「しみづ」に匹敵しようが
すでに3月のチャンプに輝いているので除外した。
基本的に2冠は認めない方針を貫く。

以前の店舗の真ん前に移転後、初めての訪問である。
旧店舗はバー「P.M.9」に改装され、
取り仕切るのは「しみづ」の親方のお内儀である。
本家の混雑時にウェイティング・バーの役割も担うようだ。

訪問日の前日に予約の電話を入れると、若い衆曰く
「申し訳ありませんが当店は
 当日にご予約をいただいておりますので
 明日またお電話いただけないでしょうか?」
意外なご要望にこちらは「ヘッ!」とトンチンカンな受け応え。
木で鼻をくくったような間抜けヅラをしていたに相違ない。
すると先方、さらに重ねて「朝8時から承っております」だと。

ふ〜ん、そんなもんかネ、前代未聞のシステムじゃなかろうか。
一夜明けた翌朝の8時半。
予約の際に18時を指定したものの、
18時半〜20時までという条件で訪問を許された。
17時〜18時半の予約も受け付けるのだ。
するってェと一晩に3回転、いやはや、強気でごわすなァ。

18時半に入店したらつけ台には先客が常連1人のみ。
クリスマス前のかきいれどきに存外スローな状況だった。
ビールはサッポロ黒ラベル1種類だが
好みの銘柄につき、順調な立ち上がりといえよう。
突き出しは絹かつぎであった。
追いかけて牡蠣と烏賊の塩辛を1つずつ。
そうしておいて飲みものを白鷹の上燗に切り替えた。
つまみは3点、平目昆布〆・〆さば・あぶり〆さばである。
何だ、〆モノばかりじゃないか! とお思いか?
生モノは刺身よりも鮨に好ましく、この作戦に間違いはない。
天才バカボンのお父さんじゃないが、これでいいのだ!

12月に入ってからは連夜に渡る飲み会。
朝、目覚めるたびに今夜は抑えようと思うのだが
結局は薬局、元のもくあみに喘ぐ毎日が続く。
それはさておき、ぼつぼつにぎりに移行しよう。

             =つづく=


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2011年1月5日(水)

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