「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1186回
お好みは鮨に限らない

一昨日まで綴った“秀子シリーズ”に関しては
多くのお便りをいただいた。
うち、お二人のメールを紹介させてもらったが
ほかにも婦人画報の情報を寄せてくれたM.Kサン、
シネマパトスのスケジュールを教えてくれたH野サンはじめ、
たくさんの方にあらためて感謝します。

さて、昨日は江戸前のにぎり鮨について書いた。
今日は江戸前天ぷらでいきましょう。
鮨はお好みで食べたいが
つき合いでおまかせオンリーの店に出向くこともある。
ただし、自分からすすんで行くことはない。
野球の監督がスターティングメンバーを決めるように
食べる順番を自分で組み立てるのが楽しいのであって
それができないとつまらない。

お好みは鮨に限ったことではなく、
あまり頼む客はいないけれど、天ぷらもまたけっこうである。
ただし、大人数で押しかけたときはわがままを通さず、
職人さんが揚げやすいよう、コースで我慢している。

高級店の場合、たとえお好みであっても
最初は強制的に海老2本という店が少なくない。
天然モノの巻きであろうが才巻きであろうが
海老の天ぷらにさほど魅力を感じぬJ.C.は
その手の店を再訪することはまれだ。

江戸湾から揚がった小魚をつまみながら
酒を飲むのが一番好きである。
そんな調子だから
森下交差点そばの「満る善」はとても貴重な存在で
折りにふれて訪れている。

その夜はすみいか耳の突き出しで始まった。
いわゆるエンペラだが軽くボイルしてあった。
そこそこ生モノが揃っているのは呑ん兵衛にありがたい。
この日は酢鯵と鮪の刺身が用意されていた。

酢の利いた鯵は江戸っ子の好物
photo by J.C.Okazawa


赤身と中とろの中間感じ
photo by J.C.Okazawa

刺身好きのツレのために両方お願いした。
殊に青背には目がないようで、奴サン、目を細めている。
もちろんこちらも少々ご相伴に預かり、
2切れずつもあれば、それでじゅうぶん。

いつも注文する丸どぜうの柳川鍋をはさみ、
主役の天ぷらはむろんのことにお好みでゆく。
当夜は珍しく大物の穴子からスタートした。
なぜかハナからドスンと穴子が欲しかったのだ。
下半身を食べたところでメゴチが来た。

松葉おろしのメゴチと穴子の上半身
photo by J.C.Okazawa

けっして海老が嫌いなワケではないが、海老は鮨屋のほうがよい。
そういえば、洋食屋で海老フライはまず頼まない。
海老入りのミックスフライはちょくちょく食べる。

お次はキスをいって、はて、それからどうしよう。
本日の品書きを連ねた黒板にカキフライを見つけた。
カキのフライがあるのなら天ぷらが出来ぬ道理はない。
すかさずお願いすると、ニッコリ笑った店主、
わが意を得たりの表情だ。

どこにでもあるフライよりここでは天ぷら
photo by J.C.Okazawa

この時期、毎週のようにカキフライは食べるが
天ぷらはそうやすやすと口に入らない。

食事はせずに勘定を済ませ、夜の町。
これから近所の「深川煉瓦亭」に向かう。
たまさか日本そばの「京金」を訪れることはあっても
森下に来たら、「満る善」と「煉瓦亭」はワンセット。
もっともライスものや麺類(ここには中華がある)は食べない。
さあて、ハムサラダで黒ビールでも飲むとするか。


【本日の店舗紹介】その1
「満る善」
 東京都江東区森下1-18-1
 03-3631-1931


【本日の店舗紹介】その2
「深川煉瓦亭」
 東京都江東区子音大橋2-7-4
 03-3631-7900


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2011年1月20(木)

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