「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1202回
フードより フーゾク盛んな 錦糸町(その2)

フーゾク街の真っ只中、「亀戸餃子錦糸町店」で
中瓶1本と餃子2皿を飲み食べ終えた。
目の前の女将と、ヨウさんだったかな、
中国から来た料理人との掛合い漫才を
もうちょっと聴いていたかったけど、そうもゆくまい。
黄昏のビギンよろしく、暮れなずむ街に出た。
リサイタルまでまだ1時間以上あるではないか。
やれやれ。

思いをめぐらし、思いついたのが「涌谷」だ。
会場のすみだトリフォニーホールから至近というのも好都合。
フードよりフーゾクがお盛んな錦糸町にあって
ここはグレードの高い居酒屋なのである。
すぐそばの「和可奈鮨」と並び、
吹き溜まりに落ちた2粒の真珠といった趣き。

ここでもビールの中瓶を頼んでおいて
自慢のもつ焼き(焼きトン)をいく串か注文。
品書きには
 レバー・ハツ・タン・カシラ――170円
 シロ・ナンコツ・ねぎ間――220円
 涌谷焼き――250円  手羽先――270円

とあった。

最初にカシラを塩で。
続いてのタイトルロール、涌谷焼きは
大葉入りのつくねで黒胡麻のコク味がポイント。
これも塩でいただいた。

一ノ蔵の上燗に切り替えてお銚子を2本。
つまみは同じく焼きトンのレバーとシロ。
この2串はタレでお願いする。
紀州備長炭で焼かれた臓もつは香ばしいが
やや苦味を含んだタレには好きずきがあろう。

焼き手の店主はねじり鉢巻き。
どこぞの鮨屋のオヤジといった面体だ。
彼をサポートするのは女将さんと、たぶん息子。
周りを見れば、ガツ刺し・コブクロ刺し(各550円)も
人気の様子ながら、独り身には荷が重いし、
公演のあとにもどこかへ繰り出さねばならない。

開演まで残りおよそ20分。
近所をほっつき歩いて「タイランド」に白羽の矢を立てた。
大人数につき、保険を掛けて21時の予約を入れておく。
このタイ料理店の評判はたびたび耳にした。
しかして今回が初訪問なのである。

リサイタルのあとにドヤドヤと押し掛け、
一気に注文した品々はかくの如し。
 ポピア(生春巻)  空芯菜炒め 
 海老と春雨の蒸しもの
 パッタイ(タイ風焼きそば)
 カピ(小海老ペースト=海老醤)入り炒飯

女性が多く、しかもみな空腹を抱えており、
炭水化物を中心にオーダーした。

空腹のせいか、料理はことのほか好評。
餃子と焼きトンのおかげで
空腹ではないこの身にも美味しく感じられた。
とりわけ“糖質三兄弟”が上々のデキである。
ただし、スペインはリオハの赤が冷蔵庫に保管され、
あまりに冷たかったのが返すがえすも残念。
と言うか、もともとタイ料理には、
殊にナンプラーには、赤よりも白が正解なのだ。
当夜の“給餌”を預かる責任者、
ボンクラJ.C.が犯した大きなミステイクであった。
反省しまッス!
ああ、南州太郎が懐かしい。


【本日の店舗紹介】その1
「涌谷」
 東京都墨田区錦糸2-3-2
 03-3622-9910

【本日の店舗紹介】その2
「タイランド」
 東京都墨田区錦糸3-12-10
 03-3626-3885


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2011年2月10日(木)

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