「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1204回
自他製おでん
=男の手抜き料理シリーズ第16回=

久々に男の手抜き料理シリーズまいります。
しばらく手を抜いたというか、息を抜きすぎていた。
手抜き料理といえども
レシピその他を綴るとなると、意外に面倒なもの、
ついつい億劫になるのも致し方ない。
てなワケで今回は今が時季、おでんに挑戦してみましょう。

表題の自他製おでんはミスプリではない。
自家製に他人の手を借りるので自他製、そう思し召せ。
半分は手造り、残りの半分は出来合いということだ。
いつものように分量は2人前が目安になっている。

それでは、アラ・キュイジーヌ!

(1)用意するのは、
   おでんセット(出汁つき)・・・
   スーパーで6〜700円くらいのもの1パック。
   出し昆布・日本酒・醤油・・・適宜
   大根・春菊・わかめ・白滝・木綿豆腐・牡蠣・
   (鱈白子・スジ・竹輪麩・厚揚げ・結び昆布)・・・適量
   カッコ内の種はお好みでけっこう。
   スジは牛スジではなく練り製品のスジ。
   薬味(練り辛子・七色唐辛子・ゆず胡椒など)・・・少々

(2)鍋(土鍋が望ましい)に水を張り、
   出汁昆布を1片(ちり鍋の際の倍ほど)沈ませて
   しばらくおく。

(3)鍋にパックの出汁を半分ほど注ぎ、日本酒と醤油を足して
   半月切りの大根とアク抜きした白滝を並べ、火にかける。
   出汁を半分に抑えるのは味が濃いのと
   旨味調味料もかなりのものだから。
   足りないときに少しずつ補填していこう。
   大根は輪切りより半月のほうが火が通りやすいため。
   パックにこんにゃくがあれば投入。

(4)鍋が煮立ったら出汁昆布を取り出し、
   弱火でゆっくりと火を通す。
   その後いったん火を止め、フタをしてしばらく放置。
   素材に旨味を吸わせるのである。

(5)常温に戻った鍋に再び点火して
   パックのおでん種を煮えにくいものから足してゆく。
   別途用意した木綿豆腐もこのときに入れる。
   特にはんぺんは火入れを極力抑えて最後に乗せる。
   基本的におでんセットは練り製品メーカーが造っており、
   野菜・こんにゃく系・大豆製品の調達を忘れずに。

(6)牡蠣・白子・春菊・わかめはあまり煮ずに
   シャブシャブ感覚で食べるほうが美味。
   いっぺんに投入するのを避け、順繰りに食べ進む。

おでん造りのポイントは
大きく分けて2種類ある種の特性を見極めること。
つみれ・ごぼ巻き・スジなど、出汁を放出する種なのか、
大根・こんにゃく・豆腐など、出汁を吸収する種なのか、
この見極めが何よりも大切。
前者はサッと煮、後者はジックリ煮、これが基本である。
概して家庭の主婦は練り製品を煮すぎる傾向が強い。
旨味がもれ出した種は箸にも棒にもかからず、
どうにもならないもの。
殊に揚げ物は煮るのではなく温める程度のつもりでよい。

関東では濃い口醤油にみりんや砂糖を加えるもよし。
関西なら薄口醤油に甘味抜きが好まれるかもしれない。
ウインナー・フランクフルトなどくだらん種は忘れ、
春菊・わかめをはずさないでいただきたい。
そして牡蠣・白子・たら子あたりを1品奮発すれば、
銀座の「やす幸」や「田中」に匹敵しうる、
リッチなおでんを楽しむことができる。
しかもずっと安上がりでね。


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2011年2月14日(月)

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