第40回
組織ケーエイ学15: ウェブログが面白い。

インターネットは、いろいろな可能性があって、どっちの方向にいくのか非常に興味深いものだ。出発点では、インターネットは男性のものあり、中心はホームページであった。つぎに女性が使うようになり、メールに重心が移ってきた。

メディアとしても、はじめは印刷代金のかからない出版物だと考えられ、次々にオンラインマガジンがあらわれた。マスコミ型の一方的な情報発信の延長上にあり、糸井さんのサイトも、邱さんの「ハイQ」もこのタイプといえる。
オンラインマガジンは、情報更新は大変だけれど、基本的にはHTMLファイルを並べ、静的なサイトで構築できる。

このタイプのサイトは、編集の視点もあり、発信者が限定されコンテンツの質が保たれる反面、雑誌ならば価格があり販売できて原稿料も払えるけれど、インターネットの場合はそうもいかず、発信者側がだんだん、くたびれてくる。まえにも言ったとおり、少額決済の制度がないのがつらい。

発信型のコンテンツは、メルマガも一段落してその後の発展があまりないけれど、特定の仲間が集まるコミュニティーのタイプは、しっかりと基盤を作っている。
典型例は掲示板ということになるが、コミュニティーを作ろうと思って設置しても「荒れやすい」のが致命的な欠点である。
匿名の不特定多数の発信者は、基本的には信用できないものだ。しかし、ごみためと思っていると、ときどき貴重な情報にもでくわす。

最近は、ウェブログというコンテンツの新しい形態がある。
個人がそれぞれ主体的に、日記や商品レポートなどの記事を書き続けるというもの。いちいちホームページ作成ソフトを使うのでは面倒だから、コンテンツ管理システムを利用するが、システム自体は決済のない電子商取引のようなもので、ダイナミックな仕組みをもっている。

はっきり、ウェブログと名乗っているサイトは少ないが、料理レシピのサイトなど、この形態では他にも面白いものが出てきている。掲示板の欠点をカバーしている面があり、発信者が少数に限定されずに、自然とコミュニティーが発展してゆく要素があり、非常にホットな分野だと考えている。
スイスイ社の「フェイバリッチ」もこのひとつであり、ぜひその可能性を感じていただきたい。


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