第41回
組織ケーエイ学16: 荒れないコミュニティー。

インターネットで、自発的に発展するコミュニティーといえば掲示板が代表格だが、これは荒れやすい。なんとか荒廃させない方法はないものだろうか?

「ピギーのフェイバリッチ」をつくる前に考えていたのは、インターネットには、悪口をいったり暴露をする場はもういっぱいあるが、なんとか「人をほめる」要素のある、善意のメッセージングを事業にできないか、ということだ。

掲示板の問題点は、やはり匿名の不特定多数になってしまったとき、人間性の汚い部分が現れやすい。これに対して、ウェブログは、ペンネームではあっても、一貫した「人格」の表現となるところが違う。

フェイバリッチでは、ウェブログの素性の良さに加えて、つぎの方法を取り入れて、荒廃を防ぐ工夫をしている。
1つは、入り口で会員登録をさせ、約款でルールを決める。まあ、これはウェブログとして、当たり前だ。
2つめは、自己管理責任。自分のページは自分でしっかり管理してください、というルールとして、いやなコメントやへんなリンクがついたときは、オーナーは、それらを削除することができる。
3つめが、雰囲気ブロックだ。罵詈雑言や中傷誹謗は、やはりそれらを誘うような雰囲気のあるところで出てくる。かわいらしいキャラクターとデザインで雰囲気をつくれば、これらをやんわりと防げるのではないか。

また、フェイバリッチには、それぞれのホームページにコメントをつけたり、メールを書いたり、推薦したりと、コミュニケーションの機能がある。アクセス数と、これらのコミュニケーションを総合的に評価し、ランキングすることにした。

この仕組みにより、すぐれたコンテンツを作れば、読者がふえ、コミュニケーションが活発になり、だんだん目立つ部分にあがっていく。いやなことを書けば、読者が離れていき、目立たない位置に落ちていくことになる。
このようにシステム全体で、良質なコンテンツを促進するよう、いわば自浄的な仕組みにしようとしているのである。

さて、このような理論通りに機能するものかどうか、なりゆきが楽しみだ。


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