第44回
ブランドケーエイ学14: 商業的な表現

あなたの会社では、トイレの掃除を誰がやっているだろうか?

大きな会社では、意識することもないだろうが、小さな会社では誰かがやらなければならず、当番にするか、誰かに割り当てるしかない。
こういう仕事を、立場の弱い人に押しつけるのでは、陰湿な会社文化になってしまう。
しかたないので、わが社では、トイレ掃除は社長の仕事になっている。

自分で掃除をすれば誰もが感じることだが、トイレはきれいにつかってもらいたい。
「トイレを汚すな」とか「おしっこをこぼすな」くらい言いたい気持ちにはなる。役所や学校であれば、このまま言ってることも多いが、商業となるとそうはいかない。

ある飲食店では、「いつもトイレをきれいに使ってくださって、ありがとうございます」と便器のうえに張ってあった。これも相当くふうしている例である。
マナーに関する表現は、ふつう押しつけになりがちで、なかなか難しい。商業的な表現とは、必ずしも「売らんかな」というものではなく、商業的な配慮があるかどうか、といった意味だ。

トイレに話をもどせば、男が立ってする、この伝統的姿勢こそが、地球環境を考えるうえで諸悪の根元なのである。標的をはずすこともあるし、そうでなくても飛沫が飛んで、周辺を汚す。男もすわってするべきだ。
自分で掃除しなければならない立場になれば、自然とそう考えるようになる。
じっさい、紳士の国のある街では、男のすわりションを義務化しようと何度か条例の議題になったそうな。ただ、そんなの個人の自由じゃないか、マナーの問題をそこまで言うな、ということで実現してなかった。

それならばと、わが社でこの問題に真っ正面から取り組んでみたところ、このような表現ができあがった。
「誰が便所を掃除する?」という部分は、本来はない方がいい。ただそのままだと、すわりションを励行する理由がわからない人が多く、しかたがないのである。
さて、これをはがせるシールにして売り出したいが、だれが買ってくれるかどうか…。


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