第46回
お金のない人からはどんなに優秀な弁護士でも
回収することはできません。

これまで、借金が支払えない場合
どうなるかということについて説明してきました。

「借金を返せ」という判決が出たにもかかわらず、
借金を返さなくても、刑罰を科されることはありません。
貸主が借金の返済を強制的に行うためには、
借主の財産を差し押さえるしかありません。
差し押さえると言っても、
日常生活に必要な家具類は差し押さえることはできません。
とすると、差し押さえる財産がない場合には、
回収しようがないのです。

これはどんなに優秀な弁護士が
何人集まっても結論的には同じです。
ただ、人間何らかの収入がないと
生活していけないわけですから、
その収入源を調べることができれば、
その収入を差し押さえることはできます。
そのような収入もないという場合には、
貸主としては法律上はどうしようもできないわけです。

法律がだめなら、
法律によらないで回収してくれる人に頼むなんて、
冗談か本気か、そんなことをいう人がいます。
法律の手続きで回収できないところから回収するには
脅迫・恐喝など犯罪によるほかないわけですから、
頼んだ人も脅迫罪・恐喝罪の共犯になります。
そもそも、そういう人にお金を払って
貸金の回収を頼む人がいると、
そういう人が世の中からなくならず、巡り巡って、
自分のところに回ってくることにもなりかねないわけです。

法律上、差し押さえる財産がない人からは、
誰も回収することはできないということは
借主になった場合でも、その逆の立場になったとしても
重要なので覚えておいてください。


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2002年10月30日(水)

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