第86回
事務所を借りるには敷金保証金が必要です。

みなさん、アパートやマンションを借りたことはあるでしょうか?
東京の場合、大体、アパートやマンションを借りるときには、
敷金、礼金2ヶ月分ずつと不動産屋の仲介手数料1ヶ月分、
前家賃1ヶ月分の合計賃料6ヶ月分を用意しなければなりません。
ところが、事務所を借りる場合には、
敷金あるいは保証金だけで、
10ヶ月分から12ヶ月分を用意しなければなりません。

事務所の家賃が月30万円だとすると、
敷金保証金だけで、300万円から360万円も
用意しなければならないのです。
これに、仲介手数料や前家賃をプラスすれば、
400万円を超えてしまいます。

事務所を構える場合には、内装工事費や事務机、 パソコン、
コピー機、電話、応接セットなどの購入費も必要となります。
事務所を借りて事業を始めるにもお金が必要になります。
この敷金や保証金は、何のためにこんなに取られるのかというと、
担保のためなのです。

もし、賃料が支払われなかった場合、
敷金や保証金から差し引きます。
また、事務所に傷をつけたりするなどして、
貸主に損害を与えた場合には、
その損害分を敷金や保証金から差し引くのです。
契約が終わって、原状回復するための費用も
ここから差し引くこととなります。

アパートやマンションのように住むために利用する場合と違って、
事務所として利用する場合には、
事務所内の備品も大きく多いこと、
内装工事などにより原状回復に費用がかかること、
住居よりも家賃の未払いのリスクが高いことなどから、
それを担保する敷金・保証金の額は多額となっています。

ただし、これまでは貸し手優位でしたが、バブル崩壊後、
借り手がなく空室のあるビルもあります。
もともと6か月分しか敷金保証金を取らないところもありますし、
交渉しだいでは、敷金保証金の額を下げるところもあります。


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2003年1月8日(水)

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