第93回
30分5000円の法律相談料ではお金持ちにはなれません。

毎週金曜日は、弁護士の話をしています。
さて、前回(第88回)は30分5000円の法律相談料は
高いかという話をしました。
今回もその話の続きです。
前回は相談する側から見た法律相談料の話をしましたが、
今回は、弁護士側から見てどうかという話です。

「30分5000円。時給1万円。いいな。」
とよくうらやましがられます。
でも、よく考えてみてください。
普通の人が時給いくらというときは、全て、その人のものです。
普通の人がいう時給はすでに経費を引いた後の金額です。
弁護士の場合、そこから、事務所の賃料と人件費、
事務機器のリース代や通信費といった経費を引くわけです。
だから、普通の人よりも時給が高く見えるわけです。

30分5000円だと、1時間1万円、1日8時間で8万円。
月22日で、176万円。1年で2112万円。
ここから、事務所の賃料や人件費などの経費を引くと、
普通のサラリーマンよりもよいけれど、
お金持ちとはとても言えないくらいの収入です。

ちなみに、この収入は相談者がいつも16人来て
弁護士が毎日フルに相談に乗っていることを前提にしています。
でも、実際はそんなことはありえません。
だから、サービスの提供者である弁護士からすると
30分5000円の法律相談料は
そんなに高くないという感覚です。
もちろん、ユーザー側から見て高いかどうかということが
重要だということはわかっています。
ただ、「30分5000円なんていいよな」
とすごくうらやましがられるほどではないということを
言いたかったわけです。

でも、みなさん自身でなく、みなさんの所属する会社が
クライアントや取引先に請求する金額は、
時給に直すといくらくらいですか?
あなたの年収が1000万円を超えていれば、
少なくとも30分5000円くらいの請求はしているはずです。


■今週の宿題■
事務所を借りるときには、
不動産屋の仲介手数料として
通常賃料1か月分を取られます。
不動産屋は借主からのみ仲介手数料を取っている。
でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。


←前回記事へ

2003年1月17日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ