第116回
事務所や店舗を借りた場合、又貸しは禁止です。

久しぶりに、賃貸の話です。
事務所や店舗を借りるのは、
自分で営業しようと思って借りるのであって、
他人に貸そうと思って借りる方は少ないと思います。
中には、他人が借りられないので、
名義を貸すために借りるという人もいるんですけどね。

でも、最初は自分でやろうと思っていた事業も、
「業績が悪くなってきた」
「中心的な従業員が辞めてしまって自分ではできない」
ということになる場合があります。
そんなときに、そこを使ってやりたいという人がいれば、
支払賃料に一定額を乗せて貸すと
自分は何もしないで収入を得ることができます。
それで、転貸をしてしまうというケースがよくあります。

借りる方も、貸主から直接借りる場合には
信用調査を受けたりした上で借りられない可能性もあるし、
敷金や保証金を自分で用意しなければならなかったりするので、
転貸を選んでしまうようです。
しかし、この転貸は、
普通の建物賃貸借契約では禁止されています。
許されている方が圧倒的に少ないです。
これは、貸主からすると転貸を自由にしておくと、
何かあったときに契約を解除して
明け渡しを求める相手が誰かわからなくなって困るからです。

仮に建物賃貸借契約で転貸を禁止していない場合は
どうなるかと言いますと、
やはり、転貸は貸主の同意なしにはできません。
理由は、転貸は法律で禁止されているからです(民法612条)。
そこで、この転貸禁止を潜り抜けようとして、
業務委託契約の形式にしたりします。
この業務委託契約と転貸の関係は、また明日。


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2003年2月19日(水)

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