第162回
立退きを求めるには多額の費用がかかります。

貸主が賃料の未払いなどを理由に立退きを求めるには、
弁護士費用を含めて結構費用がかかります。

まず、判決をもらうための裁判をするにも、
弁護士費用と裁判所の費用がかかります。
それから、強制執行をするには、
裁判所の執行官の費用と弁護士費用がかかります。

鍵屋を連れて行くと鍵屋の費用もかかりますし、
明け渡しまで強制執行すると、
荷物を搬出してくれる業者の費用や
荷物の搬出先となる倉庫を借りる費用がかかります。
めでたく明け渡しが済んでも、
弁護士に対する報酬が発生します。

弁護士費用がかかるのは、
お金を請求するトラブルの場合と同じなのですが、
強制執行する場合の鍵屋さんや
荷物の搬出業者の費用が結構高いです。
東京は鍵屋さん1回の日当が
2万5000円から3万円くらい取りますね。

荷物の搬出も、
普通の引越屋さんは取扱していないので、かなり高いです。
規模によって違うのですが
東京で事務所や店舗の明け渡しの強制執行をすると
100万円や200万円は行ってしまいます。

1時間から2時間で
効率よく明け渡しをしなければならないし、
明け渡しをしたくない人から
無理矢理荷物を取ってくるという
トラブル物件で作業をするので、
普通の引越しより
たくさんの人を用意しなければならなかったり、
危険だったりすることがあるのでしょうが、
本当に高いです。
裁判所の強制執行の補助をするのに資格は必要ないので、
普通の引越屋さんや運送屋さんが参入する余地は
十分あると思います。
 
賃料を支払わない借主が悪くても、
法律に従って手続を進めようとすると
貸主には多額の費用が
かかってしまうことになってしまうのです。
だから、貸主が事務所や店舗を貸すときには
収入などの調査をしたり、多額の保証金を預かったり、
賃料未払いの際の違約金を
高くしたりということをするわけです。


■今週の宿題■
商品を売る場合につけるおまけについては
おまけが高くて損するのは売主なので
いくら高いおまけをつけてもよい。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年4月24日(木)

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