第179回
契約や発注書には、最低限、
商品、代金、代金支払日について書きましょう。

「物を売る」際には、
「発注書をもらいましょう」という話をしてきました。
その発注書には何を書くか説明します。
当たり前で簡単なことですが重要です。

まず、何を売るか、即ち商品について書きます。
次に、いくらで売るか、即ち代金ですね。
そして、代金をいつ支払ってもらえるのか、
即ち代金支払日ですね。

本当に当たり前のことですが、
そもそも発注書をもらうこと自体
普通はあまりされていませんから、
最低限これくらいは書いてもらいたいものです。
特に代金支払日は落とさないようにしてください。
そうでないといつお金がもらえるか、
いつ請求してよいかわからないでしょ。
債権管理にとって重要です。
ついでに振込みかどうかも書いておきたいところです。

商品については、
本当に商品を売るのであれば
発注書に書くのは簡単ですが、
設備を製造して売る場合や
メンテナンスや補修をするなど
サービスを提供する場合には、
どういうものを製造して引渡せばお金がもらえるのか、
どんなことをしたらお金がもらえるのか書くのは難しいです。
設備一式とか、
メンテナンス一式なんて書いても、
どんな内容なのかはわかりませんね。
こんな場合には、ファックスで送る発注書1枚では
なかなか書ききれないかもしれないので、
契約書にした方がよいと思います。

代金についても、
商品を何個でいくらというものであれば、
書くのは簡単ですが、
先ほどの設備一式やメンテナンス一式では、
どこまでやってその代金をもらえるのか
わからないということになります。
そうすると、買主からそれに関するものは
すべてその料金でやってもらえると思ったと言われ、
買主とトラブルにもなりかねません。
売る方も、追加料金や別料金を請求できなくなってしまいます。

「何を売るのか」「いくらで売るのか」
「いつ代金をもらえるのか」という、
商品、代金、代金支払日については
少なくとも明確にしておきましょう。
本当は「いつまでに商品を渡すのか」
という商品引渡日も書いておいた方がいいですが、
売主の立場からすると代金を請求するのには、
商品、代金、代金支払日が書いてあれば十分なので、
最低限の記載事項には入れませんでした。


■今週の宿題 ■
株式会社や有限会社に売掛金を持っているときには、
会社の決算書(貸借対照表や損益計算書)を
見せるよう要求することができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


←前回記事へ

2003年5月27日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ