第181回
掛売りはお金を貸すのと同じです。

「物を売る」では
「債権管理」「債権回収」の話をしています。
要するに、「代金をもらう」ということですね。

この「債権管理」「債権回収」で重要なのは、
「物を売る」ときに、
掛売りはお金を貸すのと同じだと言うことを
頭の中に入れておくことです。
掛売りというのは、
事業をされている方は当然ご存知のとおり、
商品の引渡より後に代金をもらうことです。

最近は手形で代金を決済するよりも、
「末締め」の「翌末払い」とすることが多くなりました。
私のところの相談も手形金が支払われないので
取立てて欲しいというものはほとんどありません。
事業をしていない人のために説明しますが、
「末締め」の「翌末払い」とは、
その月に売った商品の代金をその月の末日で合計して、
その次の月の末日に支払うというものです。

「末締め」の「翌末払い」の方式は、
商品を買う方からすれば、
商品を仕入れたときに代金を支払わず、
仕入れてから1ヶ月以内に商品を売って
代金を回収することができれば、
自己資金がなくても商売ができることとなります。
売主からすると、商品を引渡してから
翌月末に代金を支払ってもらうまでは、
代金の請求権だけが残ります。
これが売掛金です。
お金を貸して返還してもらう権利と同じです。

要するに、掛売りは、
お金を渡すか、商品を渡すのかが違うだけで、
翌月末を返済日としてお金を貸すのと同じなのです。
掛売りをするということは、
銀行やサラ金のように、
貸金業を営んでいるわけではないけれど、
お金を貸すことと同じことをしているのです。
ということは、代金を払ってもらうには
貸金業と同じようなノウハウが必要になるのです。


■今週の宿題 ■
株式会社や有限会社に売掛金を持っているときには、
会社の決算書(貸借対照表や損益計算書)を
見せるよう要求することができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年5月29日(木)

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