第227回
代金を払わない相手から物を買うことが
代金回収に役立つ場合があります。

取引相手が代金を支払わない場合、
取引を打ち切ってしまうのが普通です。
代金を支払わないのであれば、
取引を打ち切るというのも、
有効な交渉手段の一つです。
また、相手方が代金を支払わないのに、
取引を継続するなんて、
貸倒れの債権を増やしているようなものです。

しかし、取引先が同じ業界にいる場合、
こちらから取引先に商品を売る場合もあるけれども、
取引先から商品を買う場合もあるというケースもあります。
そういうケースでの代金決済は、
毎月の売掛けと買掛けの差額を計算して
支払う場合もありますし、
お互いがそれぞれの代金を支払う場合もあります。

A社がB社に売掛金を持っていて、
B社もA社に対し売掛金を持っている場合、
お金を動かさずに清算することを
相殺(そうさい)すると言うのでしたね。

こういうケースで、
相手方が代金を支払ってくれないような場合には、
取引を打ち切るのではなく、思い切って、
相手方から商品を買う量を増やすというのも
代金回収の有効な手段です。

こちらから商品を売る量と
相手方から商品を買う量を同じにすれば、
プラスマイナスでゼロになりますから、
仮に相手方が代金未払いで倒産したとしても
相殺することによって、
全額回収したと同じこととなるのです。

相手方が、自分の会社には代金を支払っているけれども
他社には支払いを猶予してもらっているような場合にも、
売掛け買掛けの取引の残高が均衡するようにしておくことは、
代金回収に役立ちます。

代金を支払わない相手方から物を買うことが
代金回収に役立つ場合があることを覚えておいてください。


■今週の宿題 ■
小売でも、卸売でも、商品の代金は、
2年間で時効にかかってしまい、以後請求ができなくなる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年8月1日(金)

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