第235回
支払いを止めて訴訟を起こすと
判決では一括払いとなってしまいます。

昨日の宿題は
サラ金からの借金の整理をするために、
これまでの返済を利息制限法に基づいて計算して
借入額を減額するために、
支払いを止めて訴訟を起こした場合、
判決では一括払いになる。
○でしょうか? ×でしょうか?

という問題でした。
みなさんは、どう考えましたか?
答えは、です。

この方は、サラ金の利息が
利息制限法に違反しているので、
利息制限法に基づいて計算し直して、
支払額を減額した上で
残額を支払いたいとサラ金に提案したけれども
なかなかうまく行かないので、
それなら訴訟をしようと考えたようです。

サラ金は、本人で交渉しても、
なかなか過去の取引経過を提出したり、
利息制限法で計算し直した金額を前提とした支払を
認めてくれたりしません。
そこで、訴訟をという考え方は正しいです。

しかし、支払を止めて訴訟をすると、
減額はできるかもしれませんが、
一括払いとなってしまいます。

そこで、訴訟中は、
約束どおりの分割金を支払っていくというのも
一つの方法です。
ただ、約束どおりの金額を支払うのが苦しいので、
訴訟まで起こそうと考えているのですから、
実際はなかなか難しいでしょう。

そこで、過去の取引を利息制限法に基づいて
計算し直して
分割払いをするという借金の整理のためには、
訴訟でなく、特定調停という制度を利用することを
お勧めします。

特定調停の制度は、
裁判所の調停委員に間に入ってもらって、
収入に比べて借金の返済額が多い人について、
月々可能な額で支払うことを話し合う制度です。
その中で、調停委員に相手方に
過去の取引経過を提出するよう言ってもらったり、
利息制限法により計算しなおした額を前提として
話し合いを進めたりすることができます。

もちろん、訴訟の中でも、話し合いはできますが、
話し合いがまとまらないと
利息制限法で計算しなおした残額について
一括払いとなってしまう可能性があります。

特定調停の場合、話し合いがまとまらなくても、
判決が出ることはありません。
ただ、特定調停でまとまらない場合は、
弁護士に相談した方がよいかもしれません。


■今日の宿題 ■
医師や公務員は、破産すると資格を失い、
失業することとなる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年8月13日(水)

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