弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第376回
高金利で成り立つ商売もある

以前、「高金利で成り立つ商売はあるか?」(362回)では、
高金利でも借りたい人はいるけれども、
高金利でお金を借りて、
高率の金利と元本の返済をしながら、
継続的にやっていける商売はほとんどないというお話をしました。

今日は、例外的に高金利でも成り立つ商売のお話です。
それは、商品の粗利益率が高く、
仕入れから販売までが短期間の商品です。

例えば、仕入れが50万円で、
100万円で売れる商品があるとします。
祖利益率は50%です。

そして、仕入れたら、
10日以内に売れることが確実な商品、
実際には、買主が決まってから商品を仕入れるような場合です。

このような商品であれば、
仮に、高金利の代名詞である「トイチ」、
即ち10日で1割の利息で、
仕入代金50万円を借りたとしても、
利息は、5万円ですから、
1つの取引で
45万円の利益を得ることができるということになります。

しかし、この物余りの日本で、
粗利益率が50%である商品を探すことは、
至難の業だと思います。
しかも、商品を仕入れれば、
買主が決まり
必ず短期間のうちに売却できる商品でなければなりません。

短期間で売却できず、
在庫を抱えることになると、
在庫を抱えている間、
高率の金利が発生してしまいますし、
在庫を置いておく倉庫などの費用も発生してしまうからです。

また、ビジネスとして成功させるためには、
単発的に1、2回ではなくて、
継続して、販売して行かなければなりません。

高利で借りて商品を仕入れて、
これに近い商品の販売をしている人を知りましたが、
やはり継続的にこのような取引を成立させて行くことは無理で、
破綻してしまいました。

そう考えると、
高金利で成り立つ商売は、
理論上はあるのかもしれませんが、
実際上はないのかもしれません。 





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2008年7月22日(火)

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