第175回
「パソメシ」番外編 パソコンは自分で作るもの! その12

intel社にはかって「440」という型番の
名機と呼ばれたチップセットがありました。
この「チップセット」というのは
マザーボードの上でCPUやメモリ、
バス等のデータのやり取りを制御する為の
複数のLSIチップのことで、
CPUのクロックがいくら凄くても
このチップセットがダメだとパソコンとして全然ダメなんです。
それぐらい非常に重要な基幹パーツなんですね。

チップセットの構成はは大雑把に言って
ノースブリッジとサウスブリッジという
2つのチップから成り立っていて、
ノースブリッジは主にCPUとメモリのデータのやり取りを制御、
サウスブリッジはPCIバス等のデータのやり取りを制御している
ワケなんです。

で、筆者タニグチの購入した「i820」は、
前述した名機「440」の後継チップセットとして
intel社が大々的に予算を注ぎ込んで
完成させたモノなんですが、
それが何故こんなジャンクパーツ扱いで
販売されているかというと、
i820チップセットは「世紀の大失敗作」だったからです。

正確に言うとi820チップセットは大失敗作だったのではなく、
大失敗作に「されてしまった」のですが、
当のintel自体がi820を見捨ててしまったのですから、
今となってはどちらでも同じコトでしょう。
そもそもメモリにRDRAM(註1)を使用するという時点で
「業界のデファクトスタンダードはintel様が作るんだよ!」
という奢りが見てとれます。

で、i820チップセットが大失敗作となった最大の原因も、
そのメモリまわりにありました。
ユーザーの財布の中身を無視して
RDRAMの使用を決定したくせに、
発売間際になって
「安価なSDRAM(註2)も使用できるようにしておこう」などと
急に弱気になって、
SDRAMが使用できるモジュールを急遽組み込んだのです。

結果的にコレが大失敗。
なんとまともにパソコンの起動すら出来ないという
チップセットになってしまったです……。



註1: Rambus社が開発した高速DRAMメモリのこと。最大転送速度は1.6Gバイト/秒と非常に高速だが高価なのが欠点。
intel社は普及すれば価格も下がると公言していたが、結局普及したのはDDRSDRAMで、RDRAMは消滅する運命に……。
註2: 最近はDDRSDRAMが一般的ですが、数年前までメモリといえばSDRAMのことでした。もちろん現在でも使用できます。

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2003年4月13日(日)

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