ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第3回
胃の下半分に糜爛・出血した巨大腫瘍が!

もう少し、緊急に、胃ガン切除手術をお願いした
前後1カ月ほどのてんやわんやの模様を書きましょう。

ガンは変幻自在に体を蝕んできますから、
一度や二度ガンに襲われたくらいで、
人間、なかなか平常心でいられるモノではありません。

ともあれ、ことしの冬ごろから、
持病の椎間板・頸椎ヘルニアが急に悪化するとともに、
体のあちこちが冷えてしびれてきたわけです。
横隔膜の神経もやられたのか?
胃からはおかしなゲップが出るようになり、
おまけに、だんだん食欲がなくなり、
しまいには、黄色い便ではなく、真っ黒な便が出てきたわけです。

こりゃ、たまらんと、
早速、主治医の帯津博士の診断を仰いだところ、
検査入院の日、あのいつもはにこやかの先生の仏のような顔が
突然厳しくなったのです。

「関根さん、胃の下半分を大きな腫瘍が塞ぎ、
食べ物が通過しにくくなっている。
胃から出血しているから、関根さん、黒い便が出るでしょう。
貧血の数値も半分くらいになっています」
というではありませんか?

先生は、心やさしい持ち主ですから、
即、「あなたは末期ガンです」などと
ぞんざいな表現はつかいませんでしたが、
症状がとてつもなく悪いというメッセ―ジは
さすが鈍感で楽天的な僕にも伝わってきました。

内視鏡写真では、胃の下半分に、糜爛し、
出血する巨大腫瘍が食らいついていたのです。 

あとで、僕も胃ガン関係の医療書を再読して分かったのですが、
典型的な、末期胃ガンの兆候だったわけです。

ところで、僕の胃ガン第4期とは、
●胃ガンの腫瘍が隣接臓器にまで浸潤している
●リンパ節転移が10個以上みられる
●肝臓などに遠隔転移がみられる

(*その時点では膵臓の転移は?でしたが)

というものですから、
「全がん協」の臨床病期別のステージ別、
胃ガン5年生存率表から類推しても、
数値の上では生き残る確率は
「10%以下」という厳しい評価になります。

仏様のような帯津医師も、厳しく僕に警告を与えたのも、
あとでよく調べて分かりました。
なにせ、日本人男性で一番多いガンが「胃ガン」
その次に、大腸ガン、肺ガン、肝臓ガンですからね。

しかし、決して、あきらめるのではなく、
まだ、この世で役立つことがあるとすれば、
すぐにポックリいくとは思えない・・・。

僕はとにかく、残された時間は、
少しでも「機嫌良く」「有効に」使いたいものだと、
次の「いのちのレベルアップ」にギアチェンジするといいますか、
新たな治療の組み合わせと、
積極的な意味でのホリスティック医療の工夫を帯津博士、
そして執刀主治医の鈴木毅副院長にお願いしたこととなります。

即、いろいろやりかけの仕事を中断する整理作業を終えて、
10月12日に手術のための再入院。
このままでは「食べ物も食えなくなり、日常生活がままならぬ」
ということで、「ガン、切るべきか」「切らざるべきか」などと、
ノンキに考える以前に、とにかく、日常食生活が改善する
食通改善の手術をまずは受けることを申し出たのです。

帯津三敬病院の個室

後のことは、また帯津先生と相談することとして、
まずは、この「奇跡の12年延命」に感謝するとともに、
新たな困難を乗り越える、「次なるいのちのレベルアップ」に
挑戦しようとなるべく積極的に考えました。


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2010年11月26日(金)

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