ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第6回
悪運も 終わりよければ すべてよし〜

僕の末期ガン患者の同時進行ドラマ
≪[末期ガン]と向き合う!≫
核心部分に、もう少し進みましょう。

前にも書きましたが、12年前の食道ガンときとは違って、
「手術をお願いします」と、
まずは僕の方から主治医の帯津先生に頼みました。

もちろん、親から与えられた臓器を
切り刻むような治療は避けたかったのですが、
検査の結果でも分かったのですが、
胃の下半分に巨大に出血した腫瘍が膨らんでおり、
食べるものが詰まって、消化しきれない状態でしたから、
とりあえず、モノが食べられて、
日常生活を取り戻す「治療」が、まずもって必要となり、
胃ガンに関しては、とりあえず「手術」をお願いしたわけです。

胃ガンや肝臓ガン転移に係わるシスプラチンやTS1といった
抗ガン剤の使用は、ひとまず、お断りしました。
こうした局部を叩く治療では、
転移部署とのおっかけごっことなるばかりか、
強烈な副作用で、いのちを急速に縮めて亡くなられた
仲間をたくさん知っていたからです。

帯津良一名誉院長も、入院中の主治医として
親身に執刀・治療にあたって下さった鈴木毅副院長も
「胃は食道と違って、手術は容易です」というわけで、
胃ガンが、どう肝臓に転移し、
また、膵臓や肺などに影響しているかは、
その後の問題として、
「消化器系機能の回復」として
第4期の胃ガン切除&残部の胃と小腸をつなぐ手術を
快諾して下さいました。

じつに、手際良く手術は遂行され、成功でした。
手術の次の日には、
集中治療室から数十メートル離れた自室まで
僕は、傷口の痛みに耐えつつ、
病院の廊下を歩行させられました。
胃の術後は数日で歩いた方が
回復力を早めるとは聞いていましたが、
びっくりするような術後回復法です。
手術も、はたで聞くのと、
こうして体験してみる事とは違う点がたくさんありました。

きっと、ともすれば痛みと失望に落ち込む患者に、
生きる勇気を奮い立たせる考え方なのでしょう。
看護師長をはじめ、多くの看護師スタッフの皆さんの
温かい励ましの声の中に包まれながら、
急速回復のパワーが漲って来たこととなったのです。
ここ病院には、たしかに帯津医師のホリスティック理論に基づく、
「目に見えない生命場」のエネルギーが
満ち溢れていると感じました。

なるほど、僕はこれまで、臓器手術の場合、
術後の痛さや合併症の恐さだけに気を取られていましたが、
手術の技量は医師に任せるとしても、
これ以下はないという「最悪の状態」から、
患者のいのちのエネルギーと、生きる意欲を奮い立たせる・・・
そんなスピリチャルな効用も、
この病院ではあらゆるチャンスで持たせようとしているのだと、
実感したわけです。

医師も看護師さんたちも
「いまは麻酔も切れて痛いですが、
日に日に回復し、元気になりますよ」と、
人間の治癒力の凄さを諭すように、温かく教えてくれました。
気分もだいぶ落ち着かせて貰いました。

僕は、ときどき「病床游句」と称して、
下手な俳句?川柳をしたためて、
闘病の気分を述べたり、
自らを鼓舞したりする癖がありますが、
そのときに書いた句が、以下のようなものでした。

旅立ちに 紅爛満の 彼岸花〜
悪運も 終わりよければ すべてよし〜

 帯津三敬病院
http://www.obitsusankei.or.jp/


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2010年11月29日(月)

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