ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第36回
調和――過ぎたるは及ばざるがごとし

これまで、西洋医学系の
「直感的ガン治療選択」について解説して来ましたが、
ガンのような複雑病に関しては、
病気の症状や臓器の局所をピンポイントでせまく攻撃する
西洋医学の発想だけでは、なかなか治せないと僕は体感しています。
というわけで、ホリスティックな発想法に近い、
東洋医学系のガン治療法の組み合わせについて、
以下、説明しておきましょう。

●食事療法
さて、食事療法は体質改善、いやまさに
「食が運命を変えた」といってもよいものです。
わが家で最も信頼しているものが
マクロビオティック玄米菜食法です。
マクロビオティックとは「マクロ」=「偉大な」、
「ビオ(バイオ)」=「いのち」、
「ティック」=「術・学」の造語。
漢方と同じ、古代中国の「易経(えききょう)」の
易や陰陽五行の思想に基づいた薬食法に原点がありますが、
これを日本独特の玄米を中心とした食養生法と
食哲学として案出したのが、
幕末の漢方医で明治になって陸軍の薬剤監となった
石塚左玄(いしずかさげん)であり、
この玄米菜食法を世界に本格的に普及を図ったのが
桜澤如一(さくらざわゆきかず)という食養指導者――
この二人が始祖です。

「過ぎたるは及ばざるが如し」――この処世訓、健康訓は、
知っている方が多いでしょうが、物事にはすべて陰陽があり、
「極端」に走らず「陰陽調和」=中庸(ちゅうよう)
バランスを図ればうまく運ぶという
東洋人らしい難問解決の実用バランス力学が、
マクロビオティック食養生法の基本です。
以下のように玄米を中心にして、
陽(体を温める)の食べ物と、
陰(体を冷やす)の食べ物を分けて考えます。
あなたも、次の「陰陽食品表」を参考にして、
陰と陽に片寄らないように、
玄米を主食に豆類、根菜類などの煮物を副菜の中心として
バランスのとれた食事を心がけるわけです。

《陽性の強い食品》
陽性の強い順に精製塩・卵・肉・チーズ・鳥肉・魚介類

《比較的バランスのとれた食品》
陽性の強い順に、完全穀物(玄米など精白されない穀物)、
豆類、根菜類・丸い野菜・緑黄色野菜、海藻類、
自然塩・植物油・お茶、種子や木の実、温帯の果物、
甜菜糖・米飴・メープルシロップ等の自然甘味料

《陰性の強い食品》
陰性の弱い順に白米、精白小麦粉、
冷凍食品、缶詰食品、熱帯産の野菜・果物、
ミルク・クリーム・ヨーグルト・アイスクリーム、
精製油、香辛料、香りや刺激の強い飲料(コーヒー・紅茶など)、
蜂蜜・砂糖・精製甘味料、アルコール、
化学物質・防腐剤・着色料・殺虫剤などを含む食品、麻薬、薬剤

●気功
大辞泉によると、気功とは「中国古来の自己鍛練法。
呼吸法と体操によって体内の気血の循環をよくし、
病気予防・健康維持を図るもの」となりますが、
前にも書きましたが、僕の入院した帯津三敬病院では
院内道場では連日、帯津院長の「楊名時太極拳」はじめ、
各種の気功教室が開かれています。

ゆっくりした全身運動を行えば、
自律神経の調和を保つことが出来る。
そして「見えざる力=自然治癒力」を
呼び起こすことが出来るという考え方です。

僕は、あまりストイックな呼吸法は苦手なので、
帯津医師のお弟子さんでもある鍼灸師の鵜沼宏樹さんの
「簡単呼吸法」ですませていますが、体調を崩す前に、
北京に行き、道教の総本山・白雲観で教わった、
呼吸=「任脈(身体の前面の気の道)で吸い、
督脈(頭部から尾てい骨までの背部の気の道)に回して吐く、
呼吸を体一周させるトレーニングで、深呼吸しています。
これは楽です。

●漢方薬
漢方薬は僕の12年間の延命の基礎となった大事な治療法です。
帯津医師の処方による「漢方煎じ薬」と、
中国の王振国医師開発の複合漢方薬「天仙液」を愛飲して来ました。
今回の胃ガン手術の後も続けています。

さて、西洋薬と漢方薬の違いは、
西洋薬は病名を決めて薬を選ぶのに対し、
漢方は患者の症状や体質などから薬を決める――
ここに違いがあります。
また、西洋薬は症状を激しく直撃するため即効性が期待されますが、
漢方薬は病気に対する免疫力[自然治癒力]を呼び起こし、
心身全体を整えるという働きをするため、
効きめはゆっくりとなります

 


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2010年12月29日(水)

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