ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第40回
百聞は“一験”に如かず

胃ガンといえば、
大抵の見舞い客からは
「胃の手術は比較的簡単ですから、すぐ良くなりますよ」とか、
「最近の医術は進歩していますから心配無用。
回復は気の持ち方次第ですよ」などと、
慰めの言葉をいただきました。

しかし、現実の患者の術後のリハビリは、
予想以上に四苦八苦でした。
手術直後、胃の膨満感や不快感、吐き気に襲われ、
また、足のむくみ、しびれにも悩まされ続けました。
やはり、親から与えられた臓器を切る事は、
なんとも不快な「後遺症・合併症」を伴うものだと
たっぷり体感・痛感しました。

執刀医の鈴木毅医師のいうように、
胃手術といっても臓器を切り取って、
小腸と接合する大手術ですから、
普通の消化や貯蔵機能回復には、すくなくとも
3ヶ月間、慎重なリハビリの工夫が欠かせません。
こうした後遺症ダメージについては、
それぞれの症状や体質の違いもあり、
医師や胃ガン指南書からは詳しくは教えてもらえません。

もちろん、一発で治す化学劇薬や即効薬などありませんから、
誰しもが聞きかじりの情報を元に、
大いに自らの「直感」を磨いて、
「食事改善」や「温浴」、
「足湯」などのリハビリ法を上手く見つけて、
この不快な「後遺症・合併症」を乗り越えていかねばなりません。

食道ガンや膵臓ガンなどの手術に比べれば
容易であるという「常識」や「風評」だけで、
患者が「順風慢風」に急速回復できるものではありません。
「胃ガン術後」も、後遺症は付きまとい、回復は山あり谷ありです。

とくに、手術から2カ月にさしかかる、
12月上旬は、再度、不快な「ダンピング(逆流嘔吐)」を繰り返し、
ちょっと多めに食事をすると、
たびたび、吐き気に襲われたのには参りました。

前に、胃ガン全摘出の患者さんの奥さんから、
術後、ご主人が、しばらくダンピング(逆流嘔吐)に悩まされ
動悸、息切れ、貧血を起こし、
めまいや失神までしたという話を聞き
ふ〜ん、そんなことが起こるのか?・・・と、
とても信じられませんでしたが、
僕も、痩せ細った体を起こしたり、散歩でもしようと思うと、
動悸、息切れ、冷や汗、貧血を起こしはじめたのには
びっくりしました。
しかし、ここは「あわてない、あきらめるなよ あせらない」の
闘病格言が大切でした。

無責任な「聞きかじりの治療情報」ではなく、
胃ガンや消化器系のガンの手術を受けた同輩に、
じかにアドバイスを受けるが一番です。
よく、格言に「百聞は“一見”に如かず」というものがありますが、
その程度では「闘病直感」は研ぎ澄まされません。
「百聞は“一験”に如かず」・・・、
これぞ、直感闘病に役立つ格言です。
わが身で苦痛を体験し、克服した
「患者さん」からじかに話を聞く、
これがいちばん大切なことです。

僕の場合、拙著「ガンに打ち勝つ希望の法則50」で触れた、
親友・青山勝彦さんの
食道ガン、咽頭ガン、胃ガン克服14年の貴重な体験を
大いに参考にさせて貰いました。


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2011年1月2日(日)

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