ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第43回
ガン指南書には書かれない「真実」

術後、2ヶ月、「ダンピング(逆流嘔吐」症候群」――
全身脱力感を伴い、
何日も気持ちが悪く、食べては寝る・・・
これを昼間も夜も繰り返し、
歩くと目まいがして息苦しくなってきたのです。
食後数時間後に動悸、冷汗などの症状を呈します。

では、対処法としてどうしたか?
血糖値を高めつつ、
肝臓にもよい「小豆とコンブの煮もの」や
「小豆菓子」なども甘味も少々とるようにしました。
また、リンゴのすり下ろしたものに
リンゴジュースを混ぜて飲むと飲みやすく、
排便効果もありました。

胃の手術は進歩し、
「切り取る」医術としては比較的簡単になったのでしょうが、
いずれにしても、食べ物の収容、消化の
「基本機能」を奪われているのですから、
患者はまず、必死になって、
不快な「後遺症・合併症」を乗り越えていかなければ、
「ご機嫌な人生」は取り戻せません。

中には、数年この状態を繰り返す患者さんもいるようですが、
半年、1年、2年と時間が経ち、
「基本機能」が回復し、バランスのとれた食生活に戻てくると、
患者の記憶力とは不思議なもの・・・。

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではありませんが、
「いや助かった」に始まって、
「胃ガンの手術なんて簡単だった」といった
思いが広がってしまうのでしょう?
しかし、実際の人間のいのちのバランスとは
「機械の故障を治す」ようには簡単にはいかないわけです。

ともあれ、胃ガンの術後は、用心して、
1回で摂る食事の量を減らし、
回数を多くすることに工夫が患者には大切です。
1回の食べる許容量が「おちょこ2〜3杯」くらいですから、
昨年暮れまでは、健常者から見れば情けない話ですが、
「おちょこ」に注いでは、
「ちびりちびり」と食事や漢方薬などを小分けに飲食していました。
しかし、これでは、栄養失調や貧血はなかなか改善しません。
そのとき、懇意にしている、かかりつけ医のT医師が、
「エンシュアリキッド」という経口栄養液を薦めてくれたのは助かりました。
これは、胃ガンの体験者なら常識ですが、
腸内で消化吸収を高める「栄養缶ジュース」で、
術後、病院では成分は点滴用にも使われているものです。

ガン初発の患者さんばかりか、
僕のように12年たって、
多発・転移の「末期ガン患者」になってしまったら、なおさらのことです。
ただあきらめたり、医師を恨んだり、おちこんでいてはなりませぬ。
可能性のある限りの選択肢を”どん欲”に再点検し、
あらたに「直感な組み合わせ療法」を試みる――、
いっときでも「ご機嫌な時間」を作り出す――、
「百聞は”一験”に如かず」です。
これぞ長寿難病時代の
「幸福の設計」=本来の「生きる意味」だと思っています

回復をあせって一度に大食いをしてはいけない――、
さもないと「腸ねん転、腸閉塞をおこして
もっとつらい手術を受けるハメになる」――、
また、決して、一発で効く、化学劇薬などに頼ってはいけない――、
後遺症も合併症もこじらせてしまう――、
なるべく、わが身を自然にいたわる「養生工夫」を探り出す――
これぞ、「直感闘病」の近道だと、そう体感しました。

有名医師のガン指南書には書かれていない
健常者には信じがたい話が、
ガンの周りにはまだまだたくさんあるわけです。


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2011年1月5日(水)

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