第49回
再び「直感闘病・直感人生」のすすめ
僕は、ひとりのガン患者にすぎません。
別に、治療を生業とする医師や
治療師や販売者ではありませんから、
西洋医学が優れているか? 東洋医学が優れているか?
どちらが科学的で、どちらがいかがわしいかなどといった
議論は、どうでもよいと思っています。
ズバリ、患者は治ればよいのです。
いっときでも「ご機嫌」に過ごせればよいのです。
患者が「幸福を求めるのに遠慮はいらない」からです。
「病気を叩く現代医学がよいか?」
「病気を自然治癒力で追い出す
東洋医学やホメオパシーがよいか?」
いのち丸ごとでマイナス材料を抱えている患者には、
納得すれば、どちらがあってよいのです。
たとえば、
西洋哲学に「逆もまた真理なり」、
東洋哲学には「陰 極まりて陽となる」
という発想法もあるわけですから、
マスコミでも顰蹙を買った「ホメオパシー療法」にしても、
治療の選択肢のひとつとして、直感的に取り入れてみました。
だからと言って、
めきめき、後遺症が治ったとか、
完璧に痛みがとれたとか、
ガンが完治したなどという気分は分かりませんでしたが、
病気と游息する=「ガンと游ぶ、憩う気分」が湧いてきて、
精神的にゆったりとでき、ご機嫌な時間が多くなったのはて
有難いことでした。
いのちとは「宙身一体の大いなる生命場にある」という、
直感的戦略を持ち、
病気を叩くにしても、追い出すにしても、
自分に合ったそのときどきの「いのちの戦略」を
屁理屈ではなく、体感的に素直に「感じ取る」――
そして、あまたの古今東西の「治療戦術」の中から、
これまた素直に選別する――
この「直感戦略と直感戦術」を楽しむこと=游息することが出来れば、
人生観・死生観・生命観の「クライマックスの境地だ」と、
僕は考えています。
生きることを楽しむために
この世に生を受けたのですから、
死を悟りきったような高僧や仙人や宗教者や医師のように、
人生や病苦について、
しかめっ面して過ごすことはありません。
病気と折り合う境地、いや、
「ドン底を乗り越えて、
少しでも、平気で生きることを楽しむ境地」・・・、
これが、この長寿難病時代の
「ホリスティック医学」の真髄、
いや、「ホリスティック人生」の素直なクライマックスでしょう。
西洋現代医学とともに、
僕が東洋医学や代替療法、そして、
食事療法や呼吸法、ホメオパシーを組み合わせる理由です。
いわば、生死調和、病健調和、
もう少し宗教哲学っぽく言わせてもらえば
「宙身一体・天人合一」の
人生観・死生観の境地が気持ちよいと、僕は考えています。
|