ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第54回
「游息自在」――人間は機械にあらず

延命13年――
「末期ガン」を疑われながら過ごしているいま、
ますます、「人間のいのちは機械にあらず」
「患者は壊れた機械ではない」ということを
身にしみて感じています。

症状の変化もありますが、生身の人間のいのちとは、
年齢や老化に伴って、自在に変えて考える――、
たとえば、ガンの治療や養生も、
もっと自在にゆったりと考えることが大切だと分かってきました。

医療書や治療書・解説書に書いてある一般論を
ただ金科玉条の教科書のようになぞっていても、
とくに、複雑怪奇なガンのような病気の呪縛から
簡単には逃れられないという事です。

というわけで、いまこのコラムでは
「末期ガンに向き合う」と題して、延命13年の途上ですが、
「直感闘病のすすめ」を失敗談やジョークも交えつつ、
同時進行で書き綴っていますが、
おざなりに「失敗談」や
「反省論」を書いているわけではありません。

ガン病棟の「真実」を、生身のいのち=患者の立場から
出来るだけ包み隠さず書き残して、
少しでも、この世の役に立ったらよいなあ――
そうした、ささやかな思いから始めたものです。

さて、若くしてガンに罹る人、
老齢になって再発転移する人――様々です。
しかし、生身の患者にとって、一番大切なポジションは、
「患者は機械にあらず」
「人間はマニュアル通りに修復できる機械ではない」――
つまり「年齢、老化にともなって、
≪養生法≫≪治療法≫もその設計や組み合わせを、
より自在に変化させてのぞむべきだ」ということでしょう。
これは、分かっているようで、
患者が忘れがちな「いのちの原則」です。
僕がたどり着いた「游息自在」=「直感闘病」のすすめ
の発想の基盤となっています。
*游息(ゆうそく)とは、自然に憩い楽しむという意味。
老子・荘子の教えを説いた
2200年前の中国の思想書「淮南子(えなんじ)」に出てくる。

たとえば、加齢に伴う「游息自在」のすすめ=
「患者は壊れた機械にあらず」
「養生法は加齢と共に自在に変化させるべきだ」
という考え方について、
僕の敬愛するマクロビオティック食養生法の始祖・
桜沢如一さんも、
次のように名著「食養人生読本」で書いています。

「自分の人生については、
60歳を過ぎたら、自分が1番よく分かっているのだから、
自分の判断で食べたいものを食べたらよい」
――と。

若いころは、食養生法に厳格な桜沢さんって
いい加減な人だなあ、と、誤解したこともありましたが、
たしかに、僕自身、70歳を過ぎて、思わぬ“災難”に頭をぶつけ、
やっと、桜沢さんの唱える
「人間は機械にあらず」という「いのちの深奥」が
理解できるようになりました。

(続きはまた明日)


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2011年1月16日(日)

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