ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第56回
ときには「日本列島」を逆さまに眺めよう!

別に、発想の柔軟性とは、ガンに限りません。
今流行りの分子生物学では、
いのちから生活スタイル、国家形成、地球環境の範疇まで、
これから必要な発想は「動的均衡」だと唱えられています。
*動的均衡とは、生命は、絶え間ない時間の流れの中にあり、
動的で均衡状態にあるもの――
という分子生物学の考え方

日本の外交防衛の対応策でも然りでしょう。
とうとう「基盤的防衛力」から
「動的防衛力」という逆発想のキーワードも出てきました。

僕は「動的均衡」とは、
大昔から東洋医学・哲学が提唱している
本来的には「万物陰陽調和論」の焼き直しだと思っていますから、
いよいよ、長寿難病にして
情報過多・世界混沌の時代を迎えたいま、
「静的」なこだわりから、
「動的」で「自在」で「調和」のとれた逆発想が、
より大切だと思うようになりました。
*陰陽調和とは、物事の成り立ちを「陰と陽」にわけ、
互いに消長、反発するが、やがて調和して秩序が保たれるという東洋思想。

ちょっと、健康養生から話がズレますが、
行き詰まっている日本の外交・領土・防衛・経済問題にしても、
ときには、東アジアの日本列島地図を逆さにして、
中国や朝鮮半島、
またウラジオストックあたりから見たらどうでしょうか?

なぜ、中国や北朝鮮、さらにロシアが、
無理難題の外交政策を強行してくるように感じるか?
素人目にも柔軟自在な「動的」にして
「調和的」「直感的」な対応策が生まれるのではないか? 
そうは思いませんか?

昔、現役の週刊誌編集長の頃に、
元首相の中曽根康弘さんから
「日本列島・不沈戦艦論」について
じかに話を聞いたことがあります。
いま物議をかもしている沖縄を中心とした南西諸島から、
九州・四国・本州・北海道。そして北方領土まで、
日本の長い長い地政学的位置とは、
一見、頼りない細長い鎖のような「不安な島々」に見えます。
しかし、逆に中国や北朝鮮やロシア、
そして韓国から眺めれば、
自らの「動的発展」のまえに立ちはだかる
目の上のタンコブ=強い鎖と見えているのかも知れません。
*日本列島の長さは、最西端の与那国島から
北海道の宗谷岬まで弓なりに図ると3500キロほどになる。

ですから、ただ漫然と「静的」な発想に
ガチガチに凝り固まっているならば、
その政治家たちの頭が、夜郎自大といいますか、
すでに時代遅れなのでしょう。

これからは、個人から国家のステップまで、
「動的」「調和的」な自在・柔軟・直感に基づいた発想を
設計・戦略・実行すべき時が来たと思っています。

さすれば、僕たちばかりか、
東アジアの人々の生存そのもの=将来展望も
もっと心豊かに見出せるはずです。


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2011年1月18日(火)

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