ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第60回
「日本列島改造・いのちの鎖」論(3)

もう少し、「小さな患者」「一人のガン爺さん」が
「腹の切り傷」や「足のむくみ」をさすりながら、
病床書斎の中で考えている
「日本列島改造・いのちの鎖」論とでもいった
「寝言」のような話につきあってください。

日本列島という風土では「和の癒しの場」の特性が
どの国、どの地域より優れていると、
見直してみてはどうでしょうか?
いや、これぞ日本人の優柔不断の短所
=悪しき特性だと嘆く人がいますが、
僕は、日本列島の身土不二が生み出した、
他国や他文化にない長所だと思っています。
「日本改造列島」の「いのちの場」とは、
本来、他国多民族もうらやむ「癒しの場」
「いのちのお祭り場」、
ま、僕流に言わせて貰うと「いのちの游息場」です。

環境立国、福祉立国、観光立国、芸術技術立国、
平和立国などと、ばらばらに、
西洋からの借り物キーワードなど使わず、
「癒しのお祭り場」「いのちの游息場」といった
歴史や風土に根差した一体感=
「人間の鎖」「いのちの鎖」を繋ぎませんか?

僕の敬愛する帯津良一博士には
「この世は養生の練習場」という発想があります。
また、エッセイストの鮫島純子さん
(渋沢栄一さんのお孫さん)のように、
「この世は愛の練習場」と発想し、
じつに自然に実践活動をしている方もおられます。

ちなみに、日本及び日本人をめぐる、
身土不二に根差した生命観・戦略感とは、
ただの大昔のロマンを夢見る
「歴史的運命=時間呪縛」の話ではありません。
もう少し、厳しく、いまの時代に近い
「歴史視点」から厳しく検証しておきましょう。

さて、昨年(2010年)は、日本人が決して逃れられない、
日本列島の近現代に特筆すべき2つの歴史事件の
「100年記念」の年でした。何か覚えていますか?

1つは100年前の「日韓併合事件」です。
もう1つは、やはり100年前の「幸徳秋水・大逆事件」です。
この2つは、政治経済法律学的にも
外交軍事、地政学的、また精神学的にも、
日本列島における戦略改造論を論じるときに、
避けて通れない、まさにホリスティック学的にして、
エポックメーキングな大事件だからです。
ちょっと、渋い話となりますが、この時間呪縛についても、
直視・直感すべき時代が来ていると思っています。

しかし、こと、日本及び日本人の
根源的な「天皇制」や「軍国史」問題に触れるためでしょうか。
どの日本のメジャー・メディアは
大々的に扱う事をタブー視しました。
一方では、世界情勢といいますか、
東アジアの情勢は、100年前に「逆流」する如くに
あらたな緊張紛争を連発させていることはご存じの通りです。

朝鮮半島における延坪島(ヨンピョンド)への砲撃事件、
日中の尖閣諸島激突事件、
ロシア大統領の北方領土視察事件・・・
まさに、僕たちが身土不二の「いのちの場」として生存してきた
日本列島のまわりをじかに揺さぶる事件が一挙に群発しました。
しかし、これを「日韓併合100年」、
さらに「大逆事件100年」の時間呪縛=歴史検証に遡って、
徹底的に分析し、堂々と論断した
テレビや大新聞の企画はほとんど見られませんでした。


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2011年1月22日(土)

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