ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第62回
「日本列島改造・いのちの鎖」論(5)

日本及び日本人の将来戦略について、
あまりにも、誤魔化した「空理空論」ばかりが
まかり通っていないか?
「ひとりのガン爺さん」は、腹をさすりながら、
本気で心配しているという話の続きです。

そんなとき、僕の好きな気鋭の作家の一人・山口泉さんから、
韓国で開かれた「庚戊國恥100年企画展」
のカタログに書き下ろした名文、
さらに、2010年12月10日付け「週刊金曜日」に寄稿した
論評のコピーが送られてきました。
この美術展は多年にわたり
韓国民衆芸術界で活躍された画家・
全情浩(チヨン ジヨン ホ)さんが光州で開いた
『庚戊國恥』以降100年に及ぶ
日本の罪科を問うた新作展です。
「時間呪縛の根源」について
見事に浮き彫りにして見せています。

論評する山口泉さんの書き出しは
≪「日韓併合」などとは言わない。
「庚戊國恥」(キョン スル クッチ」と呼ぶ。
「かのえねいぬ」の年(1910年)に起こった
「国辱」という意味だ≫と鋭く指摘しています。

そして、「日本は、しかもなお、他の東アジアに対する
根深い憎悪を手放さず、ますますそれを強めている。
政府はもとより度し難い。とりわけ若い世代の(略)
貧しく攻撃的なメンタリティはまさに夜郎自大」とし、
「日本では『平和』や『反戦』という概念すら、
競争や功利主義と無関係ではなく、
真の連帯や相互扶助は乏しい」と、
山口さんは続けています。僕の「いのち場」論、
「いのちの鎖」論に、底辺で通じ合う発想だと思いました。

また、100年前のタブー=時間呪縛ともいえる
もうひとつの「幸徳秋水・大逆事件」については、
昨年8月22日のNHK教育テレビ(大阪)で組まれた
「埋もれた声〜大逆事件から100年〜」
と題する特番が放映され、これは唯一、異色でした。

大審院による、たった20日間の拙速な公判で、
罪もない6人の和歌山グループの医師や僧侶が、
問答無用で「絞首刑、無期懲役」。
まさに国策的な「ねつ造」「予断起訴」によって、
無残にも「いのちを奪われた」
国家権力犯罪の根源となった大事件です。

大審院とは、旧憲法下における最高の司法裁判所。


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2011年1月24日(月)

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