第66回
嘔吐、いや「下痢」を起こせば最悪だ
原発ガンとちがって、「転移性肝臓ガン」の場合は、
原発ガン=僕の場合は「胃ガン」に応じた
抗ガン剤治療が行われることが常識となっています。
全身の化学療法=抗ガン剤治療です。
さて、ここが患者自身の「治療選択」の思案どころとなります。
「直感選択」の正念場です。
僕は、何人も、胃ガン再発、肝臓転移の患者さんが、
抗ガン剤をやって、激ヤセ、副作用の疼痛の末に、
あっという間に、いのちを縮めた姿を見てきましたから、
もう少し様態の進行見てから、栄養状態が改善されてから
決めることにして、退院しました。
おまけに、栄養不足と運動不足のために、
ガリガリにやせ細り、
前の検査の時より体重が2キロほど減っていましたから、
ここで、抗ガン剤の点滴と服用をして、
副作用のダメージにあったらたまりません。
最新の抗ガン剤=TS1*はたしかに、
13年前、僕が食道ガンになったときに受けた
シスプラチンや5FUといった抗ガン剤より、
最新で効き目もあるといわれますが、
それでも奏功率は40%、副作用は70%ともいわれています。
鈴木毅医師も
「ここが、体調回復と転移のせめぎ合いですから、
よく考えてみて計画を立てましょう」と、
いろいろ、懇切丁寧に解説・アドバイスをしてくれました。
13年前、大学病院で受けた
抗ガン剤と放射線治療のお蔭で、
手術なしで「延命」出来たわけですが、
あの「生きるのがイヤになるほどの副作用の
疼痛と全身脱力感」を思い出すと、ゾっとします。
こんど抗ガン剤をやった場合、個人差はあるでしょうが、
食欲不振・吐き気・白血球減少・
貧血・血小板減少・下痢・口内炎など副作用の疼痛は激しく、
僕の場合、激ヤセ・ダンピング(逆流嘔吐)、
栄養不足から完全脱出していませんから、
さらに「下痢」でも起こしたら、
栄養補給は不能、免疫力ダウンしてしまいます。
*TS-1(ティーエスワン)とは、
一般名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム。
胃癌などの術後補助療法に使用される経口の抗ガン剤。
とても、「次なるいのちのレベルアップ」=
自然治癒力の喚起など望むべくもなくなります。
というわけで、
「よーし、ちょっと辛いが抗ガン剤に対峙してみかるか!」と
自分自身に「気合」が漲ってこないと、
駄目だなと直感したわけです。
末期ガンと向き合っても、
「いっときでも、ご機嫌な日々を送りたい」と、
贅沢なことを願っている僕ですが、
「ガンと折り合う」、いや「いのちを繋ぐ」って本当に大変です。
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