ガンを切らずに10年延命-関根 進

ベストセラー「ガンを切らずに10年延命」の著者
(元・週刊ポスト編集長)再開・新連載!

第67回
「おちょこ一杯食」で夫婦喧嘩?(1)

術後3か月を過ぎ、
傷跡や肝臓膵臓がきりきりといたむようなことがないのは
有難いことでしたが、
なんども書きますが、手術で残された胃袋が、
こぶし大ほどもないものとなりましたから、
食事改革というものより、食事の「少量回数」改革=
「ちょこちょこ食い」という頭の切り替えが必要となりました。

普段なら、食事は朝昼晩きちんと食べるのが健康の元
と教えられてきましたから、
この習慣は、僕だけでなく、
うちのカミさんもなかなか理解できませんでした。
しかし、「お粥にしても茶碗一杯」食べてしまえば、
胃袋の貯蔵庫がないわけですから、
激しいダンピング(逆流嘔吐)に見舞われ、
からだ全体の体調も狂うのには、いささかまいりました。

帯津三敬う病院の主治医・鈴木毅医師からも、
かかりつけ医のT先生からも
「とにかくちょこちょこ食べて
栄養をつけてください」といわれていましたが、
人間って、食べる行為という長年の本能的習慣を
切り替えることすら難しい生命体だということが、
末期ガンといわれて初めて自覚できたことになります。

術後、100日にして、
切り傷の跡や内臓が痛むという事がないのは幸いですが、
胃切除と肝臓転移は、足のむくみを伴って、
全身脱力感を催し、
よほどの気合を入れないと散歩にも行くのが億劫という、
よい意味では「ゆったり=游息状態」、
悪い意味では「うつらうつら=朦朧状態」で過ごしている
――これが偽らざる姿です。

さて、繰り返しになりますが、
「胃切除後後遺症」とは次のような症状です。
あまり、専門書でも詳しくは解説がないので、
僕の胃術後の後遺症とは、
先生方の見解をまとめておきます。

≪●胃切除後は胃の機能がほとんど失われてしまうため、
食事に関連してさまざまな「胃切除後後遺症」が起こる。
胃の働きは2つある。
1・食物を「溜める」胃袋としての働き
2・食物を送りすすめる「蠕動(ぜんどう)」運動で胃壁を動かし、
胃酸を分泌。食物をドロドロの状態にして腸に送りだす働き。
この2つの働きが失われることによって、
一度にたくさん食べてしまったり、急いで飲み込んだりすると
ダンピング(逆流嘔吐)という食生活障害に
日々、悩まされることとなる。

濃度の高い食物の塊が急速に腸へ流れこみ、
小腸の腸液が多量に分泌されるため、
動悸、発汗、めまい、ゲップ、脱力感、眠気、下痢などの
「早期ダンピング症状」が出る。
さらに、急激な血糖値の上昇により、
血糖値を下げるホルモンのインスリンが大量に分泌されることにより
逆に血糖値が下がり過ぎ、
食後2〜3時間して、冷や汗、
倦怠感、めまい、脱力感などの症状が出て、気を失うこともある。
これ「後期ダンピング症状」という≫

さらに、僕の場合、肝臓に転移が広がっていますから、
脱力感やむくみにも影響していると思います。
先生方の肝臓転移についての症状解説をあげておきます。

(続きは明日)


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2011年1月29日(土)

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