誰が日本をダメにした?
フリージャーナリストの嶋中労さんの「オトナとはかくあるべし論」

第41回
平和ボケの顔

「日本の女の子は美人ばかりだね。でも男はだめ。
 韓国のほうがずっといい」

コリアンの友人Y君は来日するたびにこういって笑う。
Y君の眼には茶髪ピアスの日本の若者
(韓国の若者もそう変わらないが)
がよほど軟弱で頼りなげに映るのか、
その口ぶりはほとんど確信に満ちている。
日本の若者が蜻蛉のように、はかなく頼りなげであればあるほど、
そのぶん韓国の国益にかなうとでも思うのか、
街にあふれるポン引き然とした身じまいの
薄汚い若者を見るにつけ、
しきりに口辺に笑みを浮かべるのである。

日頃感じていることを
赤の他人である外国人に改めて指摘され、
そのいちいちがごもっともであったりすると、
どういうわけか気分がわるい。
外からとやかく言われたくねえや、
という狭小な心のなせる業か、とにかくいい気持ちはしない。
私がnationalist(国粋主義者)だろうと
patriot(愛国者)だろうと、そんなことはどうでもいい。
左右を問わず、よろず権威主義的なものは蹴っ飛ばす主義で、
どちらかというとアナーキーな体質を好むものだが、
たとえ一山いくらのボンクラ連中であっても
自国民がコケにされると、
灼けたトタン屋根の猫みたいに心がさざ波立ってくる。

人間はのうのうと楽ちんに暮らしていると
バカになってしまうものなのか。
若者にかぎらず、
日本人の顔は総じて「バカ殿」風になってきている。
これはもちろん自分を棚に上げるという、
もう一つの私の得意技から発した言葉だが、
どこか気骨がありゴツゴツした
明治世代の顔を思い浮かべるたびに、
矜持もプライドもすり減ってしまったのか、
今様の顔のなんとのっぺりとお公家さん風になったことか、
と思う。

若者などは言わずもがな。
背丈こそ伸びたが、
体格はおおむねうらなり瓢箪のように貧相で、
背を屈めながらトボトボ歩く。
おまけに耳や鼻にはピアスが鈴なりで、
赤ん坊のおしゃぶりみたいにケータイが手放せない。
こんな連中と韓国の若者が取っ組み合ったら、
勝負は目に見えている。
曲がりなりにも徴兵制をしく韓国では
テコンドーが軍隊の必須科目だ。
日本の若者など手もなく捻られてしまうだろう。
それを思うと、
私の心はなすところもなく沈んでしまうのである。


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