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         第50回 
        中国企業の再編、買収 
        第14回でご紹介しました、 
          「北京燕化石油」についてご質問が 
        多数ありましたのでお伝えします。 
        中国石油業界の3大メジャーは、 
          中国石油(ペトロチャイナ 0857)と 
          中国石油化工(シノペック 0386) 
          そして、中国海洋石油(CNOOC 0883)です。 
        北京燕化石油は 
          シノペックの傘下企業でH株に上場しています。 
          同社に関する下記のような情報が報道されました。 
        シノペックの副総裁兼財務総監、 
          張家仁氏のコメント内容です。 
          同社は1株あたり3.8香港ドルで 
          北京燕化石油株を買い取り、 
          100%子会社化する予定。 
          買収は2005年8月には完了すると発表しています。 
          当初北京の消息筋は買収価格として 
          1株3.6〜3.8香港ドルを 
          提示していると報じていました。 
        では、既に同社株を購入されている株主は 
          どうなるのでしょうか。 
          同社がシノペックの100%子会社になりますと、 
          同社は上場廃止になると予想されます。 
          したがって、既存の株主に対しては 
          シノペックが全て買い取る格好となりますので、 
          持ち株分の同社株に1株3.6〜3.8香港の 
          売却代金(?)分が支払われます。 
          既存の株主(既に購入されていた方)には 
          利益になる方が多いと思います。 
        一昨年の5月頃だったと思いますが、 
          香港のGEM市場に上場していた 
          「上海実業医薬科技」が 
          親会社「上海実業(0363)」に株式買収され、 
          同社は上場廃止(非公開化)されました。 
          当時は時価で1株、1.8香港ドル前後でしたが、 
          20%近いプレミアムの 
          2.15香港ドルで買い取りました。 
        今回の買収価格は 
          10%ほどのプレミアムでしたが、 
          親会社による完全子会社化で 
          「北京燕化石油」が上場廃止となれば、 
          H株で初の完全子会社化となります。 
        シノペックの関連子会社では他に、 
          「上海石油化工(0338)」、 
          「鎮海煉油化工(1128)」、 
          「儀征化繊 (1033)」などが 
          H株として上場しています。 
         
          最近、他の中国企業にも 
          企業再編の動きが出てきています。 
          また、再編とは違いますが、 
          先日の「レノボ 0992」など、 
          海外企業を買収する動きもあります。 
        中国の経済・企業が 
          世界を動かし始めていることは、 
          誰が見ても明らかです。 
          現在、株価は伸び悩んでいますが、 
          世界中の投資家が気づく前に 
      行動を起こさなければならないと思います。  |